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MySQL適用事例
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ここでは、「コンチネンタル航空」「PokerRoom.com(オンライン・ゲーム)」「Sabre Holdings(高トランザクションの航空券予約システム)」の3つの事例の概略を紹介いたします。
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コンチネンタル航空
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コンチネンタル航空では、ビジネスの要望として、以下の4つがありました。
- 追跡機能のない30分かかるマニュアルプロセスの自動化
- 顧客満足度の向上
- 売り上げ機会損失の改善
- コスト効果の高いソリューション
表1:コンチネンタル航空におけるビジネスの要望
この要件を満たすために、以下のようなシステム構成としました。
- HP ProLiant DL 585 3台データベースサーバ(RHEL AS 3、MySQL)
- ProLiant BL20p アプリケーション・サーバ8台(RHEL ES 3、JBoss)
- StorageWorks EVA 3000(データベース用)
- HP Serviceguard for Linux
- Red Hat Enterprise Linuxサポート
表2:HPのソリューション(コンチネンタル航空の場合)
結果として、「簡素化」「俊敏さ」「価値」の3つの成果が出ています。
- 簡素化
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- ハードウェア、Linux、高可用性システムの一社によるサポート提供
- 俊敏さ
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- 平均レスポンス時間2秒で、チケット再発行を実行する完全自動化されたプロセス
- 価値
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- オープンソースソフトウェアを活用したコスト効果の高いソリューション
- チケット再発行売上が、100%以上増加(初年度)
表3:コンチネンタル航空の成果
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PokerRoom.com(オンライン・ゲーム)
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PokerRoom.comで求められたビジネスの要望は、以下の3つです。
- 600% annual growth rate年率600%成長に対応した拡張性
- 99.999%の高可用性を保証(ピーク時10,00ユーザまで対応)
- 本番サイトとバックアップサイトを提供することで継続的な運用を保証
表4:PokerRoom.comにおけるビジネスの要望
今回のケースでは、以下のようなシステム構成としました。
- HP Integrity rx4640 server、Red Hat Enterprise LinuxおよびMySQLでDellサーバをリプレース
- フロントのウェブサービス用にHPブレードサーバを活用
- HP Enterprise Virtual ArrayおよびHP DataProtector
- 本番サイト:カナダとバックアップ・サイト:コスタリカ
表5:HPのソリューション(PokerRoom.comの場合)
結果として、大きく以下の3つの成果を実現しました。
- 10万同時ユーザまで対応した拡張性を持ち、ビジネスの成長に対応
- 24x7ワールドワイドで運用をサポートするための信頼性、可用性を拡張
- 継続した運用を実施することで、顧客満足度を向上
表6:PokerRoom.comの成果
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Sabre Holdings(高トランザクションの航空券予約システム)
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Sabre Holdings(セイバー・ホールディングス)においては、以下の3つのビジネス要望がありました。
- トランザクション量の指数関数的な増加の退避用効果の高い管理
- eコマース・ビジネスでの基盤となるシステムの信頼性確保
- 今後の成長に備えた拡張性の実現
表7:セイバー・ホールディングスにおけるビジネスの要望
上記の要件を満たすために、以下のようなシステム構成としました。
- 28 PA-RISC、NSK S86000サーバ
- 45 HP Integrity rx5670 Linuxサーバクラスタ
- 100 MySQL DBクラスタ
表8:HPのソリューション(セイバー・ホールディングスの場合)
今回は結果として以下の3つの成果を実現しています。
- メインフレーム・ダウンサイジングによるTCOの実現
- Linux、HP-UXおよびNonStopの適材適所の配置
- 応答速度向上による顧客満足度向上
表9:セイバー・ホールディングスの成果
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メインフレームからオープンシステムへ
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このセイバー・ホールディングスの事例は、MySQL単体ではなく他のシステムとの構成・効果の例でもあります。
セイバー・ホールディングスは、1960年代に世界最初のOLTP(オンライントランザクション処理)である航空機座席予約システムを構築した企業として著名な存在です。近年の同社のネットワークは、113カ国5万社以上の旅行代理店、400社の航空会社、6万のホテル、32社のレンタカー事業者を結ぶまでに成長し世界の旅行業務シェアの36%を占め、年間4億3千万件の予約業務を処理をする最大規模のミッションクリティカルなOLTPシステムとなっています。
2000年には長らくメインフレームで構築されてきた同社システムのオープンシステムへの全面移行を開始しました。
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レガシー・マイグレーションに駆り立てる背景
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レガシーシステムは、大きく分けて3つの問題を抱えています。
- 1. コストの問題
- メインフレームは、ハードウェアだけでなくOSのコストも高い。
- 2. データの柔軟性の問題
- ビジネスは急速に変化するため、データの柔軟性が企業にとって死活問題。
- 3. 人材の問題
- 新たに入社してくる社員の多くがC++やJava、SQL、XMLに慣れているが、レガシーシステムの開発にはメインフレーム技術に熟知した人材の確保が必要。
表10:レガシーシステムの3つの問題
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HP NonStopサーバとLinuxサーバのハイブリッド構成
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Sabreのシステム上の課題は、30億通りもの組み合わせがあるチケット購入時の料金計算、予約サービスの高信頼性と必ずしも購入に結びつかない空席確認時の高速性と低コスト性です。この2つの課題を実現する為に選択されたのがマスターデータベース用にHP NonStopサーバ、空席確認等にはLinuxサーバを活用したハイブリッド構成です。
空席確認などのスピードとスケーラビリティの要求されるショッピング機能は、170台のHP ProLiantサーバと45台のHP Integrityサーバで構成されたLinuxサーバ群で実装されています。その背後には12台のHP NonStopサーバが控えており、マスターデータベースからLinuxサーバへと空席情報がレプリケーションされる仕組みです。
こうしたハイブリッド構成によるレガシーマイグレーションにより、トランザクションあたりの運用コストがおよそ40%削減されたという。また、メインフレームでは困難であった機能拡張も容易になったため、もともとは10〜20種類であったオプション機能が、いまでは200種類以上提供可能となっています。
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著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
日本ヒューレット・パッカードは、ITインフラストラクチャ、コンサルティング&インテグレーションサービスからPC、PDA、プリンタまで幅広い製品、サービスを提供しています。
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