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Eclipseプラグイン「Mylyn」とは?
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第3回:Mylyn 2.1の新機能!

著者:チェンジビジョン  近藤 寛喜   2007/10/31
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MylynでBTSとの連携をしている方にうれしい機能

   続いてMylynをBTSとの連携に使っている方についてご紹介します。

タスクやクエリのインポート/エクスポートとクローン作成

   MylynとBTSとを連携させることで、タスクの共有が可能です。Mylyn 2.1ではタスクやクエリのエクスポート/インポートがサポートされました。

   TaskListView上で「右クリック」をすると「Operations」が追加されています。「Operations」メニューでは「Import Task」や「Export Task」などを行うことができます(図7)。

Operationsメニュー
図7:Operationsメニュー
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   TaskListViewからエクスポート/インポートを行うと、1要素1ファイルとして読み込みと書き込みが可能です。扱いにくい点として、インポート時に1ファイルずつしか選べないことがあげられます。しかし、クエリの場合は検索条件が複雑なものでも簡単に共有できるため、大きなメリットではないでしょうか。

   これまでもBugZillaと接続すれば、BugZillaの機能である検索条件を共有できましたが、それ以外にも共有方法が増えたことは魅力の1つでしょう。

   また、タスク、クエリともにクローンを作成できるようになっています。例えばタスクリスト上でタスクを選び、「右クリック- → Operations → Clone Task」を選ぶとリポジトリを選ぶ画面が表示されます(図8)。

リポジトリ選択ダイアログ
図8:リポジトリ選択ダイアログ

   クローン元のクローン情報を引き継いだタスクエディタから、クローンを作成したいリポジトリを選択します。筆者としてはBTSからローカルリポジトリにクローンを作成できればうれしいのですが、項目名が違うためか、サマリなどは引き継がれませんので現在はクローンの作成をサポートしていないようです。


BTSのバグレポートやチケットにMylyn上からスクリーンショットの添付が可能

   MylynのTaskEditerからスクリーンをキャプチャしてBTSへの添付ができるようになりました。キャプチャ手順は次の通りです。

  1. TaskEditerを開き、「Attachment」ボタンを押します
  2. SreenShotを選び、「Next」をクリックします
  3. 「Capture」ボタンを押すとスクリーンショットを取ります(図9)
  4. 「Fit Image」ボタンを有効にすると、ダイアログにキャプチャした画像全体が表示されます
  5. 画像を選択すると添付するスクリーンショットの大きさを決められます。適度な大きさにしたら「Next」をクリックしてください
  6. DescriptionやCommentを入力してください。「Finish」を押すと添付ファイルとしてアップロードされます

表2:キャプチャ手順

スクリーンキャプチャダイアログ
図9:スクリーンキャプチャダイアログ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ただし、Mylynから添付できる画像はキャプチャダイアログの下に表示されている画面です。そのためEclipseを最大表示していると、Eclipseしかキャプチャできませんので注意してください。キャプチャダイアログはモーダル表示ですので、Eclipseの大きさも変更できません。広い画面をお使いの方や、デュアルディスプレイをお使いの方は、障害レポート作成時の非常に有効な手段の1つとなでしょう。


タスク検索ダイアログにKey/IDのフォームを追加

   タスク検索ダイアログに、TaskListViewにある検索フォームと同等の機能を持ったフォームが追加されています(図10)。

タスク検索ダイアログ
図10:タスク検索ダイアログ
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   現在Key/IDによる検索機能はタスク検索ダイアログに追加されました。そのため、Key/IDによる検索機能のショートカットに使用していていた「Ctrl+Shift+F12」も検索ダイアログの表示に割り当てられています。

   その他、各BTSコネクタも改良が進められています。TracとのコネクタはTracの機能としてCommentやDescriptionにWiki記法を使えます。Mylyn 2.1からこれらの項目に対してのプレビュー機能が追加されています。TracのWiki記法は簡単なテーブルを記述するときなどによく使われるので、とても重宝するのでしょう(図11、12)。

Wiki記法はreStructuredTextをはじめ、何でも書けます
図11:Wiki記法はreStructuredTextをはじめ、何でも書けます

reStructuredTextのプレビュー
図12:reStructuredTextのプレビュー

   また、JIRAではMylyn 2.1からサブタスクの作成機能が追加されました。Bugzillaはカスタムされた解決方法やキーワード検索が追加されています。


まとめ

   今回はMylyn 2.1での機能向上について解説しました。Mylynはタスクコンテキストによる表示の切り替えなど、新しいUIを提供するために日々開発が進められています。Mylynのロードマップに興味がある方はぜひ下記のWebサイトを参照してください。


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株式会社チェンジビジョン 近藤 寛喜
著者プロフィール
株式会社チェンジビジョン  近藤 寛喜
モデリングツールJUDEを開発しているチェンジビジョンにて、プロジェクトの現在を見える化し、状況を共有することで現場で起きている問題を解決するためのツールTRICHORDを開発している。以前からオープンソースのプロジェクトに興味を持ち、特にEclipseプラットフォームに心酔している。最近EclipsePlugin開発勉強会をはじめました。ご興味のある方はご参加ください。

http://groups.google.com/group/eclipse-plugin-dev


INDEX
第3回:Mylyn 2.1の新機能!
  Mylyn 2.1のリリース
  「タスクの活性化」で見られなくなっていた要素の表示
MylynでBTSとの連携をしている方にうれしい機能