TOPシステム開発> アプリケーションサーバへのデプロイと動作確認
JRuby
JRubyを知る!

第4回:JavaEEでRailsを動かす!

著者:アスタリクス  大西 正太   2007/9/21
前のページ  1  2  3  4
アプリケーションサーバへのデプロイと動作確認

   それではいよいよJavaEEアプリケーションサーバ上でサンプルアプリケーションを動作させましょう。

WARファイルの配置

   Tomcatのwebappsディレクトリ配下(C:\work\apache-tomcat-6.0.14\webapps)に、先ほど生成したWARファイルを配置します。Tomcatは起動時にwebappsディレクトリに配置されているWARファイルを自動でデプロイしてくれます。


動作確認

   下記のように起動バッチファイルを実行し、Tomcatを起動します。

C:\work\apache-tomcat-6.0.14\bin>startup.bat

   無事起動したら下記のURLへアクセスして、図3のようにサンプルアプリケーションが動作していることを確認してください。

http://localhost:8080/sample_war/items/

JavaEEアプリケーションサーバ上で動作するRails
図3:JavaEEアプリケーションサーバ上で動作するRails
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


JavaEE⇔Ruby on Rails連動への期待

   JavaEEアプリケーションサーバ上でRoRを動作させることには、冒頭で述べた通りRuby/RoRの生産性とJavaの性能、安定性の両立が期待されています。

   たとえば今回は扱いませんでしたが、GoldSpikeとActiveRecord-JDBCを用いることでJavaEE標準のコネクションプールを利用することもできます。RoRにはコネクションプールの仕組み自体がないため、リソースの最適化が必要な局面で有用であるといえます。

   ただし、今回取り扱ったバージョンではまだまだJRubyおよび周辺プロダクトの動作は不安定な部分があります。試験的にRoR上に作られたオープンソースのアプリケーションである「Rubricks」や「Typo」を動作させたところ、動きはするものの、時々エラーが発生してしまうことがありました。

   また厳密なベンチマークは取っていませんが、性能面でも体感的に通常のRoRよりも低速と感じられました。今後のさらなる改善が待たれます。


終わりに

   本連載ではJRubyの概要から利用方法、また話題のフレームワークRuby on RailsとJavaEEアプリケーションサーバの連動までを紹介してきました。JRubyがRubyとJavaの「いいとこどり」を実現し得る重要なポジションにあることを理解いただけたでしょうか。

   JRubyはオープンソースで開発が進められています。

   性能や安定性の面で、現実的にはまだまだ期待に応えきっているとはいえない部分がありますが、問題点があれば報告をしたり自分で修正をしてコミュニティに還元するなどのアクションをとることで、一段と発展の速度を上げることができると思います。

   今回の記事でJRubyに魅力を感じた方がいれば、積極的にJRubyコミュニティをサポートしていくことで開発者サイドとユーザサイドの双方がメリットを得られることでしょう。

前のページ  1  2  3  4


株式会社アスタリクス 大西 正太
著者プロフィール
株式会社アスタリクス  大西 正太
JavaEEフレームワークの設計構築や開発プロセス策定などの業務を経て、現在は新規ビジネス創生に携わる。Ruby on Rails上に構築したオープンソースのCMS「Rubricks」(http://rubricks.org/)のコミッタ。


INDEX
第4回:JavaEEでRailsを動かす!
  JRubyとRailsの連動
  Railsアプリケーションの作成
  JDBCの設定
アプリケーションサーバへのデプロイと動作確認