完全先取り! iPod touch開発
第2回:iPod touchの自作アプリケーションが作れる&動かせる!
著者:masuidrive
公開日:2007/11/28(水)
iPod touchアプリケーションのコンパイル
今回は「iPhoneHacking - JotSpot Wiki(ellkro)」(http://ellkro.jot.com/iPhoneHacking)で公開されている、「HelloWorld」をターゲットにします。リスト4にしたがってソースコードをダウンロードし、ハードディスク上の任意の場所に展開します。
その後でMakefileをリスト5のものに差し替え、リスト6のコマンドを実行してコンパイルを行います。
リスト4:HelloWorldのソースコードを入手
osx$ wget http://ellkro.jot.com/WikiHome/HelloWorld_Src.zip
osx$ unzip HelloWorld_Src.zip
osx$ cd HelloWorld
リスト5:差し替えるMakefile
CC=/usr/local/arm-apple-darwin/bin/gcc
CXX=/usr/local/arm-apple-darwin/bin/g++
CFLAGS=-fsigned-char
LDFLAGS=-Wl,-syslibroot,/usr/local/arm-apple-darwin/heavenly -lobjc \
-ObjC -framework CoreFoundation -framework Foundation \
-framework UIKit -framework LayerKit -framework CoreGraphics \
-framework GraphicsServices -framework Celestial \
-framework MusicLibrary
LD=$(CC)
all: Hello
Hello: hello.o HelloApplication.o
$(LD) $(LDFLAGS) -o $@ $^
%.o: %.m
$(CC) -c $(CFLAGS) $(CPPFLAGS) $< -o $@
clean:
rm -f *.o Hello
リスト6:HelloWorldをコンパイル
osx$ make
これで「Hello」アプリがコンパイルされました。
コンパイル後の確認は実機で行う
iPod touch向けに開発したアプリケーションは、実際にiPod touch上でテストします。公式SDKが登場すればエミュレータ上でのチェックが可能になるかもしれませんが、現在はテストのたびに実機に転送する必要があります。
転送は、iPod touchとPCをネットワーク経由で接続した状態で行います。この際、iPod touch上でファイルやディレクトリを操作するのですが、もともとのiPod touchにはexplorerのようなファイル管理ツールは含まれていません。
iPod touchのOS Xは、Mac OS Xと同様にUNIXの技術が使われています。標準状態では残念ながら一般的なコマンド群は含まれていませんが、すでに有志の手によって基本的なBSDコマンドが用意されています。
JailBreakを行った際に、「Installer.app」という非公式アプリケーションのインストーラも同時に導入していることと思います。このインストーラを使い、シェルやls、cpなどの基本ソフトウェア群を収めた「BSD Subsystem」をインストールします。
これをインストールすることで、iPod touchをコマンドラインで操作できるようになります。iPod touch用のターミナルアプリケーションも開発されており、それを使うことでiPod touch上でコマンド操作を行うことが可能です。
しかしiPod touchのソフトウェアキーボードですべての操作を行うのは非常に面倒なので、ここでは外部のPCからSSHでログインして作業できるように設定を行います。 次のページ