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オープンソース白書2006
世界のオープンソース開発プロジェクト

ガバナンス強化や企業との仲介などNPOの役割が重要に、自社ソフトのオープンソース化で企業による運営も
著者:NTTコムウェア  竹川 直秀   2005/10/18
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開発NPOの役割

ThinkIT会員特典20%OFF    開発プロジェクトのマネージメントのために、開発プロジェクトとは別にNPOを設立し、分担してプロジェクトガバナンスを強化しようとする潮流がある。このような開発NPOは、開発企業とプロバイダー企業の間にあって、図1のような役割を果たしている。以下、代表的なものを紹介する。

開発NPOの役割
図1:開発NPOの役割(注2)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

【Apache Foundation】
(1999年設立)プロジェクト運営にNPO組織を設立し、開発プロジェクトの法的保護、企業寄付受皿、資産保護、プロジェクトの公的代表などを行う。20を超える各プロジェクトを束ねたApacheプロジェクト全体の管理を担当するという意味で「連邦主義者モデル」と言われている(注2)。

【GNOME Foundation】
(2000年設立)NPOの開発プロジェクトに対するガバナンスは強く、ソフトウェアの公開をコントロールしている。500人の開発者のうち、20%がフルタイムの開発者である(注2)。

【Mozilla Foundation】
(2004年設立)Apache Foundationと同レベルのガバナンスを目的としている。

注2: Siobhan O'Mahony, "Nonprofit Foundation and Their Role in Community-Firm Software Collaboration,” 2003 in "Perspective on Free and Open Source Software,” The MIT press, 2005.


ベンチャー企業による開発とサポート

   以下のベンチャー企業は、いずれも自社でソースコードを所有し、開発プロジェクトを運営している。ビジネスは、コンサルティング、カスタマイズ、トレーニングなどである。

【MySQL AB】
開発者は世界各国から社員として雇う(現在15か国から社員を雇用)。独自のデュアルライセンスによりビジネスを展開する。

【Zope Corporation】
独自のライセンスを持ち、カスタマイズサービスを提供する。

【JBoss, Inc.】
提携ベンダーへのプロフェッショナルサービスの提供をビジネスモデルとする。

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書籍紹介
「Linuxオープンソース白書2006
新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」

※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
Linuxオープンソース白書 2006
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
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INDEX
ガバナンス強化や企業との仲介などNPOの役割が重要に、自社ソフトのオープンソース化で企業による運営も
  はじめに
開発NPOの役割