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オープンソース白書2006
実態調査で見るユーザー企業の利用動向

第4回:技術者教育
著者:矢野経済研究所  入谷 光浩   2005/9/29
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認知しているLinux認定資格やベンダー資格

ThinkIT会員特典20%OFF    Linuxの認定資格は、オラクルの「Oracle Master」やマイクロソフトの「MCP(Microsoft Certified Technician)」のようなベンダー資格よりも認知度は低い。Linux認定資格の中では、レッドハットの「RHCE(Red Hat Certified Engineer)/RHCT(Red Hat Certified Technician)」やLPIの「LPIC(Linux Professional Institute Certification)」などが認知されている。

   実際に、Linux認定資格やベンダー認定資格の取得状況は約1割である。このような認定資格はシステムインテグレーター(SIer)などのエンジニアでは多く取得されているが、ユーザー企業ではあまり取得されていないようである。

社内で取得しているLinux認定資格やベンダー資格の種類(複数回答) N=67
図4:社内で取得しているLinux認定資格やベンダー資格の種類(複数回答) N=67
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   取得されている資格としては、「Oracle Master」が70.1%と最も多く、それに「MCP」が40.3%、シスコの「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」が22.4%と続いている。Linux認定資格では「LPIC Level1」と「LPIC Level2」が7.5%で最も多い。逆にLinux認定資格の中では認知度が最も高かった「RHCE」と「RHCT」は3%にとどまっている。LPICは特定のディストリビューションには縛られることはない標準的なLinux認定資格として取得者が増加している。


取得したい資格

   今後Linuxやベンダーに関する資格を取得していきたいと考えているのは約2割のみで、各ユーザー企業は取得にあまり興味を示していない。その中でも、取得したいLinux認定資格としては「LPIC Level1/Level2」や「RHCE/RHCT」が相変わらず多いが、2番目に「PostgreSQL CE」が挙がっていることが興味深い。PostgreSQLを導入し、独自でカスタマイズしていきたいというユーザーが増えている証拠でもある。

Linux認定資格やベンダー資格の今後の取得意向 N=605
図5:Linux認定資格やベンダー資格の今後の取得意向 N=605
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   従業員がLinux認定資格を取得するための補助や奨励について、現状では何も行っていないという企業が8割を超える。ほとんどの企業では個人の裁量に任せているようである。今回の技術者に対する調査結果を見ると、Linuxに関する教育や資格取得の奨励は、ユーザー企業でほとんど実施されていないという状況がよく分かる。このような現状を見ると、今後のLinux技術者が増加していくかかどうかという点に一抹の不安が残る。

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書籍紹介
「Linuxオープンソース白書2006
新たな産業競争力を生む、オープンソース時代の幕開け」

※本連載はインプレスより発行の書籍「Linuxオープンソース白書2006」(ThinkIT監修)から一部抜粋し、転載したものです。
Linuxオープンソース白書 2006
■本書の構成
第1部のユーザー企業利用動向では、605社の情報システム管理者に聞いた独自調査データ177点を掲載。プレゼン用に、すべてのデータをCD-ROMに収録。
第2部の事業者動向では現在から将来のLinuxオープンソースビジネスを解説。
第3部の社会動向ではオープンソースの普及に向けて、教育や法律、そして世界各国の政府から地方自治体の取り組みまでを紹介。
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INDEX
第4回:技術者教育
  問題点や課題
認知しているLinux認定資格やベンダー資格