TOPキャリアアップ> 人脈の重要性〜自己の意識改革
エンジニアの人脈形成術〜人脈形成の重要性
前のページ  1  2
人脈の重要性〜自己の意識改革

   筆者が考える人脈とは自己の意識改革にもつながるものだと思っています。もう少し具体的に説明しましょう。皆様の懐かしい(?)中学生時代を思い出してください。

   クラスで50M走のタイム測定をしたら、あなたは6.5秒だったとします。クラスでも1番速くて、体育祭では当然リレーの選手です。隣の組と合同体育でも1番だったとします。

   ところが2つ隣のクラスでは、50Mの平均タイムが6.0秒だとすると、あなたは6.5秒ではリレーの選手どころかかなり遅れているのです。そうなると、あなたは6.0秒という刺激を受け、クラスで一番だと思っていた脳がこれでは一番になれないと思うはずです。まずは何としても6.0秒へと近づくために努力しませんか。

人は常に「人から」刺激を受けることで成長する    自己のイメージで勝手に一番だと思っていたものが、実は一番ではなかった。自己の意識改革が、人によって行われることが多々あるのです。ですから、自分には持っていないものを持っている人にであうことで、自分に眠っている潜在能力が開かれることが十分にあります。

   また、中学生のときに学習塾へ行ったことがある方も多いと思います。

   学力別にクラスが分けられ、違うクラス、違う学校の生徒と一緒に授業を受けた記憶があるでしょうか。学習塾では同じ授業を受けているはずなのに、学校では同じくらいの成績のはずなのに、皆それぞれの勉強法でやっていて、できる生徒はできるし、できない生徒はできません。この差は何でしょう。

   学力の差を関係なくクラスを作るよりも学力を考慮してクラスを作るほうが、成績があがることがあります。手を抜いたら下のクラスに分けられてしまうため、必死に勉強します。成績が悪くて下のクラスに行くのは嫌なのでしょう。それでも、生徒同士で情報交換しながら、自分にあった勉強法を見つけ、競争しながら成績をあげていったケースを筆者は何度も見てきました。

   余談ですが、実は筆者は大学時代の4年間、都内にある大手進学塾で塾講師をやっていた経験があります。勉強が苦手でしたので、ただ版書を書き写して、問題を解いておしまいという、勉強のできる人しか成績があがらない勉強方法が嫌でした。

   ですから、穴埋め式のテキストを自分で作成して盤所の量を減らす反面、授業もわざとゆっくりと話をして、メモを取らせたりさせてきました。慣れてくると、勉強のできない生徒でも、授業中に質問をするようになったり、退屈であくびをしたりする生徒もほとんどいなくなりました。

   しかしもう少し慣れてくると、生徒同士でテキストを見せ合ってやり方を取り入れたり、「こういったテキストの方がいい」と提言してくれたり、クラスそして筆者にとっても非常に刺激があったことが記憶に残っています。

   2つの例をあげてみましたが、人脈を広げることで自己の意識改革ができることをご理解いただけたかと思います。

   気が付くと、会社の同僚、先輩、後輩や気の合う仲間たちとしかお付き合いがない方もいるでしょう。ですが、人脈は常に広げていかなければなりません。


人脈の重要性〜情報収集

   人脈の重要性のもう1つに、情報収集があります。某野党では情報仲介者を通じて虚偽の内容をでっちあげ、大変なことになっておりますが、精度の高い情報は、やはり「人」からやってきます。ビジネスチャンスもそしてピンチも人からやってくるものです。

   例えば精度の高い求人情報も人からやってくるケースがあります。ある大手SIerがあったとします。新卒採用を重要視していることから、中途採用で入社するにはハードルが非常に高く、募集要項を見ても、オープンソース、Linuxなどの最先端技術を駆使して、大規模なシステム構築を行うというもの。年齢は25〜40歳。更にUNIX系インフラ経験5年以上、PM経験3年以上などと記載されていますが、この内容をWebや求人広告で見る限りでは、「自分にはマッチングしない」と思ってしまう方もいるかと思います。

   しかしこの部隊は15名くらいで、40代が実質組織を引っ張っていて、30代が抜けている。20代は院卒が多くて実務経験が少なく、外注にかなりの部分を頼っているという状態であったりします。もちろん、それを中途社員で補おうとしているわけですが、30代前半であれば非常に入りやすいことは想像に難くないでしょう。

   これがWebや求人広告からわかるかというと、わからないのが実情です。紹介会社で情報を持っている会社は一部しかなく、ほとんどの30代はチャンスを逃していることでしょう。

   もしあなたが、この企業へ入社したいと思ったら、いえ入社を考えている前に情報が自然と入ってきたとしたら、あなたのキャリアは大きく広がる可能性があるのです。

   精度の高い情報は、やはり人から流れてきます。最後に人脈の重要性を再度掲載します。

人脈の重要性
図3:人脈の重要性

前のページ  1  2


テクノブレーン株式会社 山岸 雅己氏
プロフィール
テクノブレーン株式会社  山岸 雅己氏
1978年生まれ。某外資系H/Wベンダーにて採用業務を経験。現在はエンジニア、コンサルタントを中心に、年間300名以上の方とお会いしている。求人案件紹介のみにとらわれないキャリアの視点からの情報提供を心がけており、今後のキャリアプランをお会いした方と一緒に考えていく。