読者の皆様、こんにちは。テクノブレーン株式会社の山岸です。
技術系を中心とした人材紹介会社に勤めている筆者はキャリアコンサルタントとして、某大手都銀勘定系システムのPMをやられている方、新進気鋭のITベンチャー企業で戦略系コンサルタントをやっている方、フリーで各企業と契約をするJava/C#のスペシャリストの方などと今までに数多くのエンジニアやコンサルタントの方とお会いしてきました。
日々様々な方とお会いさせていたくと、将来業界にものすごい影響を与えそうな優秀な方やこんな上司の下で働きたいと思う方もいれば、失礼かも知れませんが、キャリアに関してはまったく関心もなく、最低限の生活さえ確保できれば良いという方もいました。
筆者はその中で、優秀なエンジニア・コンサルタントにはある共通点を発見することができました。
人脈ネットワークを持っている/持っていないに関わらず、その重要性をさほど認識しておらず、せっかくのチャンスを逃している方がいます。
そこで本連載では、3回に渡り「エンジニアの人脈形成術」というテーマに基づき、キャリアアップに役立つ内容を説明します。
第1回、2回ではエンジニアに限らずビジネスパーソンの人脈形成の重要性を説明します。
冒頭にあげた優秀なエンジニア・コンサルタントになるためにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは筆者が簡単にまとめた「三条件」をあげます。
図1:優秀なエンジニア・コンサルタントの三条件
IT業界はスピードのはやい業界ですから、最新の技術に造詣があって業界動向に詳しい方であれば、いつスカウトされてもおかしくないスキルを持っていることになります。人それぞれで習熟度や志向性に差異があるものの、多くのエンジニアの方は情報サイトや独学などでこれを身に付けているのではないかと思います。
また自身のキャリアに関しては、時々自らを振り返る機会を作ったり、社外にでても通用するように、マネジメント経験を積んだり、年齢に応じてテクニカルスキルを学んだりしている人は数多くいらっしゃいます(優秀な方ほど、キャリアコンサルタントと会ってキャリアの棚卸をしているケースが多く見受けられます)。
しかし図1の「幅広い人脈を持っている」となると、つい軽視している方も少なからずいるように思えます。仕事に必要な情報をすぐに得ることのできるような人脈を新たに開拓したり、仲間として一緒に仕事ができる相手を見つけたりすることが非常に重要なことであるのは、誰も異論がないかと思います。
しかし実際には、社内の同僚や先輩、後輩、そして学生時代の友人ばかりに目が向いていて、いざ何かをしようとしたときに必要な人脈ネットワークができていないというのが実情のようです。
図2:人脈のイメージ
これは無理もありません。今まで人脈というと、どうしても仕事と直結する話ばかりが、上司や書籍などでも伝えられていたわけですから。
それでは、人脈とは一体何でしょうか。
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