第3回:MIRACLE LINUXのセキュリティへの取り組み (3/3)

Linuxディストリビュータが紐解くセキュアOS
Linuxディストリビュータが紐解くセキュアOS

第3回:MIRACLE LINUXのセキュリティへの取り組み

著者:ミラクル・リナックス  石井 友貴   2005/12/9
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まとめ

   MIRACLE LINUX V4.0を使用するユーザにとっては、オープンソースのSELinuxを使用するか、商用のMIRACLE HiZARDを使用するかという選択肢が用意されています。

   どちらを使うかという判断基準としては、Linuxコンソーシアム セキュリティ部会から公開されている、「セキュアOS評価項目」などが参考になると思われます。


   セキュアOSの導入件数は徐々に増えていますが、実際にセキュアOSを導入するにはいくつかのハードルがあることも事実です。特に運用面から見ると次の2点が重要です。

  • セキュリティポリシーの設定がわかりやすく、かつ柔軟に行えること
  • ポリシーの管理や監査ログの収集・分析を行うための運用管理ツールが用意されていること

表1:セキュアOS導入のハードル

   MIRACLE HiZARDでは、これらの運用面での機能強化をはかっており、直感的にポリシーの設定および修正が可能なロールや各種セキュリティ設定項目の提供、そしてそれらを実装するためのGUI管理ツールや監査ログのレポートツールなどを備えています。導入作業もほんの数分で完了する程度であり、ユーザの「明日からすぐにセキュアOSを使いたい」という要望に答えられる製品です。

   SELinuxについても、「SELinux Policy Editor」や「SETool」といったツール群が提供されており(MIRACLE LINUX V4.0に同梱)、コミュニティによる機能向上も随時行われています。ただし現時点においては、本格的に使いこなすにはある程度のスキルを必要としますので、経験のあるSIベンダーによる導入/運用コンサルティングが必須となるケースが多いと考えられます。

   セキュアOSについては、上記以外にも商用/オープンソースを含め多数のソフトウェアが存在します。最近では内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)などによる政府のセキュリティ調査でもセキュアOSの必要性が報告されるなど、セキュアOSの有用性が認識されはじめています。世の中のサーバに標準的にセキュアOSが搭載される、という日が遠からず訪れるのではないでしょうか。

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ミラクル・リナックス株式会社 石井 友貴
著者プロフィール
ミラクル・リナックス株式会社  石井 友貴
外資系ソフトウェアベンダーにてデータベースやセキュリティ関連の研修カリキュラム開発などを担当した後、2004年よりミラクル・リナックス社に在籍。MIRACLE HiZARDをはじめとするセキュリティ製品のプロダクト・マネジメントを担当。日本でのセキュアOSの普及を目指し日々奮闘中。Linuxコンソーシアム セキュリティ部会メンバー。


INDEX
第3回:MIRACLE LINUXのセキュリティへの取り組み
  MIRACLE LINUX V4.0のセキュリティ強化
  MIRACLE HiZARDによるデータベース・サーバのセキュリティ強化
まとめ
Linuxディストリビュータが紐解くセキュアOS
第1回 セキュアOSの動向
第2回 Red Hat Enterprise Linuxセキュリティの概要と特徴
第3回 MIRACLE LINUXのセキュリティへの取り組み
第4回 Turbolinuxのセキュリティに対する取り組み
個人情報保護法から見るセキュアOSの必要性
第1回 個人情報保護法とセキュリティ対策
第2回 セキュアOSとは
第3回 セキュアOS紹介(1)〜 MIRACLE HiZARDとLIDS
第4回 セキュアOS紹介(2)〜 Trusted SolarisとPitBull
第5回 セキュアOS紹介(3)〜 SELinux

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