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第5回:富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」

著者:富士通  服部 裕慈   2005/12/12
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ストレージの高信頼化

   次に企業にとって重要な資産であるデータを扱うストレージに関する高信頼技術について解説します。
容易なクラスタボリューム管理

   PRIMECLUSTERでは、システムディスクや共用ディスクをボリューム管理機能とソフトRAID機能によってストレージの信頼性を向上します。また、クラスタを構成するすべてのサーバから同じボリューム名でアクセスできるため、保守や管理が容易になります。


ディスクへのアクセス制御

   PRIMECLUSTERでは、待機側サーバからのすべてのディスクアクセスを抑止することで、オペレーションミスやアプリケーションバグなどによるデータ破壊を防止し、重要なデータを守ります。

   またPRIMECLUSTERで管理されるディスクは、論理ボリュームへのみアクセス可能で、論理ボリュームを構成する物理ディスクへの直接アクセスは抑止されます。これにより、不当なアクセスによるソフトRAIDの不整合状態あるいはデータ破壊を防止します。

ディスクアクセス制御
図3:ディスクアクセス制御
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


システムディスクのオンラインバックアップ

   通常、システムのバックアップやシステムの修正適用時には、業務を停止する必要があります。PRIMECLUSTERではスナップショット機能を使用することで、業務を運用したまま瞬時にシステムディスクを別のディスクへバックアップすることができ、バックアップしたディスクへは業務を運用したまま修正適用することができます。

   さらに、そのバックアップしたディスクからも直接システム起動することができます。これによって、システム保守時の業務停止時間を短縮することができます。


同時アクセス可能な共用ファイルシステム

   PRIMECLUSTERでは、複数のサーバから同時にマウントやアクセスすることができる共用ファイルシステムを提供しています。複数のディスクを1つのファイルシステムとして利用するマルチボリューム機能により、空き容量が不足したときに容易にファイルシステムを拡張できます。また拡張操作は、ファイルシステムをマウントさせた状態の業務運用中でも行うことができます。


ネットワークの高信頼化

   インターネットへの接続や様々なシステム間の接続など、重要なデータが流れるネットワークに関する高信頼技術について解説します。


通信の継続運用

   PRIMECLUSTERでは、ネットワークを多重化しネットワーク故障時にも通信を継続するための機能を提供します。ネットワーク故障時の伝送路の切り替えや縮退は高速に行われるため、ミドルウェアやアプリケーションはネットワーク故障を意識することなく、そのまま通信を継続できます。また、伝送路の切り替えや縮退は、NIC(Network Interface Card)の故障時だけではなく、通信経路上の機器故障時にも行われます。


柔軟なネットワーク多重化方式

   多重化方式には2種類あり、「二重化したNICを同一ネットワーク上で排他利用し、ネットワーク故障時には伝送路を切替える方式」と「複数の伝送路を同時に利用して通信の負荷分散と帯域向上を行い、ネットワーク故障時には伝送路を縮退する方式」があります。

   接続相手サーバなどの装置や、ネットワーク構成などの様々な要件に応じて最適な多重化方式を選択できます。

PRIMECLUSTERについて
PRIMECLUSTERの動作環境などについて解説します。

動作環境
PRIMECLUSTERの動作環境は以下の通りです。

サーバ:UNIXサーバ PRIMEPOWER、富士通S series、IAサーバ PRIMERGY、基幹IAサーバ PRIMEQUEST
オペレーティングシステム:Solaris オペレーティングシステム、Red Hat Enterprise Linux ES、Red Hat Enterprise Linux AS
ストレージ:ETERNUS、その他EMC社など多くのIHV製品との組み合せも可能
ソフトウェア:Interstage、Systemwalker、Symfowareなどの富士通製ミドルウェア、その他、Oracle社など多くのISV製品との組み合せも可能

関連情報
以下も合わせてご参照ください。
PRIMECLUSTER(PRIMESERVER WORLD)
http://primeserver.fujitsu.com/primepower/products/soft/primecluster/

お問い合わせ先
富士通コンタクトライン
0120-933-200
受付時間:9:00〜17:30(土・日・祝日・年末年始を除く)
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富士通株式会社 服部 裕慈
著者プロフィール
富士通株式会社  服部 裕慈
ソフトウェア事業本部 自律システム基盤開発統括部 プロジェクト部長
1981年 富士通株式会社に入社。PRIMECLUSTERをはじめとする、UNIX、LINUXなどのオープンプラットフォームでのクラスタソフトウェアに関する企画、開発を担当。また、オートノミックコンピューティングを実現するソフトウェアの企画、開発にも従事。


INDEX
第5回:富士通の高信頼基盤ソフトウェア「PRIMECLUSTER」
  PRIMECLUSTERの概要
  異常サーバの確実な停止
ストレージの高信頼化