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第2回:Java AP層の評価 〜 概要とカーネル比較

著者:新日鉄ソリューションズ  稲木 宏一郎   2005/5/23
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ハードウェア・ソフトウェア環境

   以下に本評価の一部で使用したハードウェア及びソフトウェアの一覧を示す。
  CPU Memory HDD NIC
Driver 1 × 3GHz P4 1GB 1 × 120GB 1 × Gigabit
Emulator 1 × 3GHz P4 1GB 1 × 120GB 1 × Gigabit
Web/JMS 2 × 2.8GHz Xeon 2.5GB 2 × 36GB 2 × Gigabit
AP Server 2 × 2.8GHz Xeon 2.5GB 2 × 36GB 2 × Gigabit
DB Server 2 × 2.8GHz Xeon 3GB 2 × 73GB 2 × Gigabit

表1:ハードウェア構成

OS Red Hat Enterprise Linux AS 2.1(2.4.9)
SUSE LINUX Enterprise Server 9(2.6.5)
JDK Java 2 SDK, Standard Edition 1.4.2_04
DB Server PostgreSQL 7.4.6
AP Server JBoss 4.0.0
Web Server Apache httpd 2.0.46
Web Connector Jakarta mod_jk2 2.0.4
Application SPECjAppServer2004 V1.03

表2:ソフトウェア構成

   Javaアプリケーション層の評価は複数の会社で分担して行ったのだが、それぞれの会社毎に使用したハードウェア機器や、一部のソフトウェア(OS、APサーバ)は微妙に異なる。


ネットワーク構成

   以下に評価環境のネットワーク構成の一例を示す。

ネットワーク構成
図3:ネットワーク構成

   図では5台の計算機を使用した構成となっているが、1台の計算機に複数の役割を割り当てることで、より少ない計算機台数にすることも可能である。また、APサーバの役割を複数台の計算機に分散させる(クラスタ化)場合は、より多い計算機台数が必要となる。


ソフトウェアのインストール・設定

   計算機群に、それぞれの役割毎に必要なソフトウェアをインストールし、設定を行う。

   DB Serverはデータを保存する役割を提供する。本評価ではPostgreSQLを採用したため、PostgreSQLをインストールし、initdbコマンドを用いてデータベースクラスタを作成し、postgresql.confファイルにおいて、最大同時接続数や、バッファサイズなどのチューニングを行う(チューニングを行わない場合、高負荷に耐えられない)。

   AP ServerはJ2EEアプリケーションを動かす役割を提供する。本評価では、アプリケーションサーバとしてJBossあるいはWebLogicを使用するため、JBossあるいはWebLogicをインストールし、様々な設定(DataSourceとしてDB Serverを参照させるなど)やチューニングの為の設定ファイル群の追加・修正などを行う。アプリケーションサーバを複数台の構成(クラスタ)とする場合には、複数台の計算機に対して同様の作業を行う。

   Web/JMS Serverは、DriverからのHTTPリクエストを受け付けるWebサーバの役割および、非同期にやり取りされるメッセージデータを管理するJMSサーバの役割を担当する。WebサーバとしてはApache httpdを使用し、JMSサーバとしては、アプリケーションサーバと同様にJBossあるいはWebLogicを使用する。従ってApache httpdの設定(同時接続数のチューニングなど)や、JBoss/WebLogicのインストールやJMSサーバとしての設定などが必要である。

   Emulatorはサプライヤエミュレータという外部システムの役割を提供する。本評価ではJBossあるいはTomcatをサプライヤエミュレータを動かすコンテナとして使用している(サプライヤエミュレータはEJB機能を使用しないため、Tomcat上でも動かすことが可能)。

   Driverは負荷を掛けるプログラムを実行する役割を担当する。SPECjAppServer2004は、この計算機上にインストールする。

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新日鉄ソリューションズ株式会社 稲木 宏一郎
著者プロフィール
新日鉄ソリューションズ株式会社  稲木 宏一郎
1992年に新日本製鐵(株)に入社後は、C++言語によるオブジェクト指向ソフトウェアの研究・開発に携わる。その後所属組織はそのままに別会社(新日鉄ソリューションズ)となる。現在はシステム研究開発センターでJava/J2EEアプリケーション・フレームワークの開発やOSSの評価などに取り組んでいる。


INDEX
第2回:Java AP層の評価 〜 概要とカーネル比較
  はじめに
  SPECjAppServer2004とは?
ハードウェア・ソフトウェア環境
  アプリケーションのビルド・配備