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PostgreSQLとOracleによるデータベース相互移行マニュアル

第3回:データの移行(2)
著者:奥畑 裕樹(OKUHATA, Hiroki)   2005/10/20
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SQL文の移行

   システム中に埋め込まれたSQL文を移行する場合は、PostgreSQLとOracleのSQL文の違いや、組み込みファンクションの違いに注意する必要があります。特にSQL文の移行でポイントになるのは、SELECT文の移行です。Oracleにある便利な機能がPostgreSQLにはないことが多いので、そうした場合の対処法について知る必要があります。

   では、SELECT文でよく使用する機能について、PostgreSQLとOracleの違いを順番に見ていきましょう。


列の別名

   エイリアスとも言いますが、PostgreSQLでは列に別名を付ける際には、必ずASを付けます。逆にOracleでは必ずしもASを付ける必要はありません。

PostgreSQLの場合
SELECT 担当者名AS "担当者(1960年代)",
         生年月日
   FROM 担当者マスタ
   WHERE 生年月日< '1970-1-1';
Oracleの場合
SELECT 担当者名"担当者(1960年代)",
         生年月日
   FROM 担当者マスタ
   WHERE 生年月日< '1970-1-1';
   その結果は両方とも同じです。

担当者(1960年代) 生年月日
--------------------  --------
鈴木 60-01-23
小野 60-08-02
斎藤 63-10-15
DUAL表

   Oracleでは、SELECT文で特定の表を必要としない場合には、DUAL表というダミーの表を用います。

SELECT1+1FROM DUAL;
 1+1 
---------- 
  
   いっぽう、PostgreSQLではDUAL表のようなものは必要ありません。

SELECT1+1;
   
?column? 
---------- 
2   
(1 row)   
   しかし、Oracle用に書かれたすべてのSQL文を探し出して、FROM DUALを削除するのは面倒です。そこで、PostgreSQLに次のような同名のビューを作成してしまえば移行がラクになります。

CREATE VIEW dual AS
  SELECT 'X'::varchar(1) as DUMMY;
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奥畑 裕樹(OKUHATA, Hiroki)
著者プロフィール
奥畑 裕樹(OKUHATA, Hiroki)
Javaとオープンソース技術を得意とする技術コンサルタント。最近のテーマは、ソフトウェア開発の全体最適をはかること。気が付けば、10才のときにプログラミングを始めて以来、常に何かを作っている…。


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