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徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応
徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応

第1回:ハードウェアとアーキテクチャ
著者:菖蒲淳司/南角栄一郎
編者:ソキウス・ジャパン   2005/4/22
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解答

   1ページ目の問題の解答を掲載します。解答には、問題の正解やその理由だけでなく、用語や重要事項などが詳しく解説されています。
第1問の解答: C

   IRQ(Interrupt ReQuest)とは、割り込み要求のことです。割り込みとは、実行中のプログラムを一時中断し、新たに処理要求のあった別のプログラムを実行することです。割り込みが発生すると、一般的に0〜15までの識別番号によってIRQが管理されます。

   デバイスが利用しているIRQの情報は、
/proc/interruptsファイルに記述されています。したがって、Cが正解です。

A. /etc/interruptsというファイルは存在しません。
B. /etc/ioportsというファイルは存在しません。
D. /proc/ioportsは、デバイスとのデータ送受信に使用されるI/Oポートアドレスの情報が記述されているファイルです。
E. /proc/dmaは、デバイスが利用しているDMAチャネルの情報が記述されているファイルです。DMA(Direct Memory Access)によって、CPUを介さずにメモリとデバイスとの間で直接データをやり取りできるようになります。
第2問の解答: B、C

   シリアルポートはコンピュータと周辺機器とのデータ転送を行うインタフェースで、1本の信号線で1ビットずつデータを伝送します。シリアルポートとしては、モデムなどを接続するRS-232Cが有名です。

   一般的に、各デバイスには次の表のようにIRQ番号が割り当てられます。

【一般的なIRQ番号の割り当て】
IRQ番号 デバイス
0 システムタイマー
1 キーボード
2 IRQ9とのカスケード接続用
3 シリアルポート2
4 シリアルポート1
5 パラレルポート2またはサウンドカード
6 フロッピーディスクコントローラ
7 パラレルポート1
8 リアルタイムクロック
9 IRQ2へのリダイレクト
10 空き
11 空き
12 PS/2マウス
13 数値演算コプロセッサ
14 IDEハードディスクコントローラ(プライマリ)
15 IDEハードディスクコントローラ(セカンダリ)

   上記のとおり、一般的にシリアルポートにはIRQ3とIRQ4が割り当てられます。

   したがって、
BCが正解です。


第3問の解答: setserial

   シリアルポートに関する情報を表示したり、設定したりするコマンドはsetserialです。setserialコマンドの書式は次のとおりです。

 [ ]内は省略可能。< >内は必須
setserial [オプション] <デバイスファイル名> [パラメータ[=値]]



-a ……シリアルデバイスに関するすべての設定情報を表示

   なお、デバイスファイルは、/devディレクトリに格納されています。たとえば、/dev/ttyS0はシリアルポート1のデバイスファイルを意味します。

例:デバイス/dev/ttyS0に関するすべての設定情報を表示する
# setserial -a /dev/ttyS0
/dev/ttyS0, Line 0, UART: 16550A, Port: 0x03f8, IRQ: 4
Baud_base: 115200, close_delay: 256, divisor: 0
closing_wait: 15360
Flags: spd_normal skip_test

   また、setserialコマンドを実行することで、UARTを調べることができます。UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)とは、マザーボードや内蔵モデムなどに搭載されているシリアル用チップのことです。UARTが古かったり、シリアルポートの設定が間違っていたりすると、モデムが正常に動作しないか十分に性能を発揮できません。


第4問の解答: A

   プラグアンドプレイとは、コンピュータにハードウェアを接続するだけで、そのハードウェアが自動的に使用可能になる仕組みのことです。プラグアンドプレイによって、ユーザーは手動で設定を行う必要がなくなります。プラグアンドプレイデバイスの情報を取得するコマンドは
pnpdumpA)です。なお、pnpはPlug and Playの略です。

B. isapnpは、ISAPnPカードを設定するコマンドです。ISAPnPとは、ISAバス(解答11を参照)に接続されているデバイスをソフトウェアだけで設定できるようにする仕組みのことです。
C. isapnp.confは、isapnpコマンドの設定ファイルで、コマンドではありません。このファイルは、pnpdumpコマンドを使って生成します。
D. getpnpというコマンドは存在しません。
E. lspciは、コンピュータに接続されているPCIデバイスの情報を表示するコマンドです。
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書籍紹介
徹底攻略 LPI問題集 Level 1/Release 2
徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応 LPI認定試験は、知名度・試験の質ともに優れ、Linux技術者のスキル標準として多くの企業、個人で高く評価され、急成長している資格試験です。本書はその「LPICレベル1 Release 2」資格に対応した問題集です。レベル1取得に必要な「101試験」「102試験」の2つを網羅した2部構成になっており、出題範囲を体系立て整理し、より効率よく、試験に近い形で学習できます。巻末には、実践的な総仕上げ問題を収録。総問題数は502問。これだけの問題数をこなせば、知識が付くこと間違いなし! レベル1試験の合格を目指す人すべての方におすすめです。
発売日:2003.08.04発売
販売価格:2,940円 (税込)

著者プロフィール
菖蒲 淳司
北海道出身。仕事がきっかけでLinuxに触れて以来、Linuxの可能性や面白さとそれを取り巻く環境に興味を持つ。以来、Linuxワールドにどっぷりと浸り、抜け出せずにいる。趣味はスノーボード、美味しいものの食べ歩き、献血。業界トップクラスの「グルメ」なエンジニアを目指して、日々「食」の勉強を欠かさない。
取得資格:LPICレベル2



著者プロフィール
南角 栄一郎
東京都出身。自前で安価に本格サーバ構築が実現できるLinuxの存在を知り、勉強していくにつれて楽しさを覚えていく。Linuxコミュニティの熱さと暖かさを肌に感じ、Linuxへの興味は増す一方である。趣味はドライブ、プロレス観戦、原石集め。日々の切磋琢磨によって、集めた原石やLinuxのスキルを磨きながら輝ける日を目指す。
取得資格:LPICレベル2、初級システムアドミニストレータ



編者プロフィール
株式会社ソキウス・ジャパン
クォリティ・メディア・カンパニーを標榜する出版社。2001年11月設立。2002年10月より株式会社インプレスと協業し、これまで30冊近い「徹底攻略問題集」を編纂する。また、自社で月刊「オープン・エンタープライズ・マガジン」を発行、発売している。
http://www.sociusjapan.co.jp/


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第1回:ハードウェアとアーキテクチャ
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