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徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応
徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応

第12回:ネットワーク基礎
著者:菖蒲淳司/南角栄一郎
編者:ソキウス・ジャパン   2005/7/5
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解答

   1ページ目の問題の解答を掲載します。解答には、問題の正解やその理由だけでなく、用語や重要事項などが詳しく解説されています。
第1問の解答: E

   問題にあるIPアドレスはCIDR表記です。CIDR(Classless Inter-Domain Routing)とは、クラスA、B、Cのようにクラス分けせず、任意のビット長のネットマスクを使ってIPアドレスを管理する方法です。IPアドレスの枯渇を防いだり、複数ネットワークを集約したりすることでルーティング処理にかかる負担を減らすことができるため、現在では一般的に使用されています。

   IPアドレスとスラッシュ(/)のあとに続く数字は、ネットワークアドレスとして何ビット割り当てているかを表します。つまり、問題の/24を2進数で表記すると、「11111111.11111111.11111111.00000000」となります。10進数表記とCIDR表記のサブネットマスクの対応は、次の表のようになります。

サブネットマスクの表記方法
CIDR表記 10進数表記
/24 255.255.255.0
/25 255.255.255.128
/26 255.255.255.192
/27 255.255.255.224
/28 255.255.255.240
/29 255.255.255.248
/30 255.255.255.252
   ホストに割り当てることができるIPアドレスの数は、「2(32 - CIDR表記値) - 2」の計算式で算出することができます。したがって、Eが正解です。

第2問の解答: A

   ifconfigは、ネットワークインタフェースの表示や設定を行うコマンドです。したがって、Aが正解です。ifconfigコマンドの書式は次のとおりです。

 [ ]内は省略可能。
ifconfig [インタフェース名] [オプション]
IPアドレス …… インタフェースにIPアドレスを割り当て
down …… 指定したインタフェースを停止
up …… 指定したインタフェースを起動
metric <数値> …… インタフェースメトリックを指定した数値に設定
netmask <アドレス> …… ネットマスクを指定したアドレスに設定
   なお、オプションや引数を指定せずにifconfigコマンドを実行すると、現在動作しているネットワークインタフェースの状態が表示されます。

例: 現在動作しているネットワークインタフェースの状態を表示する
# ifconfig
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:90:CC:12:34:56
  inet addr:192.168.1.22 Bcast:192.168.1.255 Mask:255.255.255.0
  UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
  RX packets:417 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
         ……中略……
lo Link encap:Local Loopback
  inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
  UP LOOPBACK RUNNING MTU:16436 Metric:1
  RX packets:282 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
         ……省略……
B. pingコマンドに関する説明です。
C. routeコマンドに関する説明です。
D. digコマンドに関する説明です。
第3問の解答: D

   netstatは、TCP/IPの統計情報や接続状況、ルーティング情報など、ネットワークに関する情報を調査できるコマンドです。netstatコマンドの書式は次のとおりです。

 [ ]内は省略可能。
netstat [オプション]
-a …… 接続待ち状態にあるソケットと接続待ち状態にないソケットを表示
-i …… ネットワークインタフェースの状態テーブルを表示
-n …… ホスト、ポート、ユーザーなどの名前を解決せずに、数字のアドレスで表示
-p …… 各ソケットが属しているプログラムのPIDと名前を表示
-r …… 経路テーブルを表示
   netstatコマンドの出力における項目は次の表のとおりです。

netstatコマンドの出力における項目
項目 説明
Destination 対象ネットワークのアドレス
Gateway 対象ネットワークのアドレスへパケットを送るために通らなければいけないゲートウェイアドレス
Genmask 対象ネットワークのネットマスク
Flags 状態フラグ
MSS この経路でのTCP接続のデフォルト最大セグメント
Window この経路でのTCP接続のデフォルトのウィンドウサイズ
irtt 初期ラウンドトリップ時間
Iface この経路で使用するインタフェース
   また、Flags項目では、以下の表のような状態フラグが設定されます。

状態フラグ
状態フラグ 説明
U 経路が有効
H ターゲットはホスト
G ゲートウェイを使用
R 回復される動的経路
D デーモンもしくは置き換えによる動的な設定
M 経路制御デーモンもしくは置き換えによる変更
! 拒否する経路
   Destination項目のdefaultとある行に指定されているGatewayは、デフォルトゲートウェイと呼ばれます。これは、Destinationで指定されていないIPアドレスにパケットが送られるときのゲートウェイアドレスを指定します。したがって、Dが正解です。

第4問の解答: B

   PPPでよく利用される認証方式として、PAPCHAPがあります。

PAP
ユーザー名とパスワードによる認証を行います。しかし、ユーザー名とパスワードが平文のまま送信されるため盗聴される危険性があります。
CHAP
チャレンジレスポンス方式という認証を行います。これは、チャレンジコードと呼ばれるコードを送信してから、パスワードを基にしてハッシュ関数からレスポンスコードを返答するので、情報が平文では流れません。
   PAPの認証情報は/etc/ppp/pap-secretsファイルに、CHAPの認証情報は/etc/ppp/chap-secretsファイルに格納されます。どちらもスーパーユーザーだけが読み書きすることができます。

   したがって、記述が誤っているBが正解です。

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書籍紹介
徹底攻略 LPI問題集 Level 1/Release 2
徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応 LPI認定試験は、知名度・試験の質ともに優れ、Linux技術者のスキル標準として多くの企業、個人で高く評価され、急成長している資格試験です。本書はその「LPICレベル1 Release 2」資格に対応した問題集です。レベル1取得に必要な「101試験」「102試験」の2つを網羅した2部構成になっており、出題範囲を体系立て整理し、より効率よく、試験に近い形で学習できます。巻末には、実践的な総仕上げ問題を収録。総問題数は502問。これだけの問題数をこなせば、知識が付くこと間違いなし! レベル1試験の合格を目指す人すべての方におすすめです。
発売日:2003.08.04発売
販売価格:2,940円 (税込)

著者プロフィール
菖蒲 淳司
北海道出身。仕事がきっかけでLinuxに触れて以来、Linuxの可能性や面白さとそれを取り巻く環境に興味を持つ。以来、Linuxワールドにどっぷりと浸り、抜け出せずにいる。趣味はスノーボード、美味しいものの食べ歩き、献血。業界トップクラスの「グルメ」なエンジニアを目指して、日々「食」の勉強を欠かさない。
取得資格:LPICレベル2



著者プロフィール
南角 栄一郎
東京都出身。自前で安価に本格サーバ構築が実現できるLinuxの存在を知り、勉強していくにつれて楽しさを覚えていく。Linuxコミュニティの熱さと暖かさを肌に感じ、Linuxへの興味は増す一方である。趣味はドライブ、プロレス観戦、原石集め。日々の切磋琢磨によって、集めた原石やLinuxのスキルを磨きながら輝ける日を目指す。
取得資格:LPICレベル2、初級システムアドミニストレータ



編者プロフィール
株式会社ソキウス・ジャパン
クォリティ・メディア・カンパニーを標榜する出版社。2001年11月設立。2002年10月より株式会社インプレスと協業し、これまで30冊近い「徹底攻略問題集」を編纂する。また、自社で月刊「オープン・エンタープライズ・マガジン」を発行、発売している。
http://www.sociusjapan.co.jp/


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