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徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応
徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応

第5回:X Window System
著者:菖蒲淳司/南角栄一郎
編者:ソキウス・ジャパン   2005/5/27
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解答

   1ページ目の問題の解答を掲載します。解答には、問題の正解やその理由だけでなく、用語や重要事項などが詳しく解説されています。
第1問の解答: D

   XFree86は現在、バージョン3系とバージョン4系が広く使用されています。バージョン3系とバージョン4系では、Xの設定が記述されているXF86Configファイルの構成が若干異なります。したがって、Dが正解です。XF86Configファイルは、設定する内容によってセクションが分けられており、バージョン3系とバージョン4系では次の表のような違いがあります。

バージョン3系とバージョン4系のセクションの相違点
セクション 設定項目 バージョン3系 バージョン4系
Files カラーデータベースとフォントファイ ルのパスおよびXフォントサーバ あり あり
ServerFlags Xサーバのオプション あり あり
ServerLayout 入出力デバイスや画面 なし あり
Keyboard キーボード あり なし
Pointer マウス あり なし
InputDevice キーボードやマウスなどの入力デバイス なし あり
Monitor モニターの名前や解像度、周波数など あり あり
Device ビデオカード あり あり
Screen 実際の画面表示(MonitorセクションとDeviceセクションの設定をまとめたもの) あり あり
Module ダイナミックモジュール なし あり
A. バージョン3系でも、統合デスクトップ環境を使用することができます。
B. バージョン4系でも、ビデオカードが対応していれば最大色数を8ビットカラーに設定できます。
C. バージョン4系でも、バージョン3系と同様にXF86SetupやテキストエディタなどでXの設定を行うことができます。
第2問の解答: B

   リモートのXクライアントによるXサーバの利用を制御するためのコマンドはxhostです。したがって、Bが正解です。xhostコマンドの書式は次のとおりです。

 [ ]内は省略可能。
xhost [+-][ホスト名]



[+]<ホスト名>…… 指定したホストからのXサーバへの接続を許可
-<ホスト名>…… 指定したホストからのXサーバへの接続を拒否
+ …… アクセス制御を無効化(すべてのホストからの接続を許可)
- …… アクセス制御を有効化(アクセスを許可されていないホストからの接続を拒否)

   リモートのXクライアントにXサーバの利用を許可するには、+オプションでアクセス制御を無効化するか、+オプションに接続を許可するホスト名を指定してxhostコマンドを実行します。

A. remotexというコマンドは存在しません。
C. xvidtuneは、Xの画面の表示位置を調整するコマンドです。
D. xf86configは、Xで使用する入力デバイス、ディスプレイ、ビデオカードなどを設定するコマンドです。
E. startxは、ランレベル2や3などのCUIモードでシステムを起動したときにXを起動するコマンドです。
第3問の解答: E

   Xの起動は、一般的に次のような順序で行われます。

  1. startxコマンドの実行
    startxコマンドはシェルスクリプトとなっており、スクリプトの中でxinitコマンドを呼び出す
  2. xinitコマンドの実行
    Xを初期化するための.xinitrcスクリプトを実行
  3. .xinitrcスクリプトの実行
    デフォルトでは、/usr/X11R6/lib/X11/.xinit/xinitrcスクリプト(ディストリビューションにより異なる)を実行してXを初期化。ユーザーのホームディレクトリに.xinitrcがある場合は、そちらを実行
  4. .Xresourcesファイルの読み込み
    Xクライアントの設定(リソース)などが記述されている.Xresourcesファイルを読み込む
  5. .Xclientsファイルの読み込み
    Xが起動したときに同時に起動させるXクライアントが記述されている.Xclientsファイルを読み込む
  6. Xの起動
A. .xsessionファイルは、ディスプレイマネージャからXを起動するときに読み込まれるファイルです。誤りです。
B. .xinitrcスクリプトは、xinitコマンドから実行されます。誤りです。
C. .Xclientsファイルには、Xが起動したときに同時に起動させるXクライアントが記述されています。誤りです。
D. ユーザーのホームディレクトリに.xinitrcスクリプトが存在しなければ、デフォルトの.xinitrcを実行してXを起動します。誤りです。

   したがって、Eが正解です。
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書籍紹介
徹底攻略 LPI問題集 Level 1/Release 2
徹底攻略LPI問題集 Level1/Release2対応 LPI認定試験は、知名度・試験の質ともに優れ、Linux技術者のスキル標準として多くの企業、個人で高く評価され、急成長している資格試験です。本書はその「LPICレベル1 Release 2」資格に対応した問題集です。レベル1取得に必要な「101試験」「102試験」の2つを網羅した2部構成になっており、出題範囲を体系立て整理し、より効率よく、試験に近い形で学習できます。巻末には、実践的な総仕上げ問題を収録。総問題数は502問。これだけの問題数をこなせば、知識が付くこと間違いなし! レベル1試験の合格を目指す人すべての方におすすめです。
発売日:2003.08.04発売
販売価格:2,940円 (税込)

著者プロフィール
菖蒲 淳司
北海道出身。仕事がきっかけでLinuxに触れて以来、Linuxの可能性や面白さとそれを取り巻く環境に興味を持つ。以来、Linuxワールドにどっぷりと浸り、抜け出せずにいる。趣味はスノーボード、美味しいものの食べ歩き、献血。業界トップクラスの「グルメ」なエンジニアを目指して、日々「食」の勉強を欠かさない。
取得資格:LPICレベル2



著者プロフィール
南角 栄一郎
東京都出身。自前で安価に本格サーバ構築が実現できるLinuxの存在を知り、勉強していくにつれて楽しさを覚えていく。Linuxコミュニティの熱さと暖かさを肌に感じ、Linuxへの興味は増す一方である。趣味はドライブ、プロレス観戦、原石集め。日々の切磋琢磨によって、集めた原石やLinuxのスキルを磨きながら輝ける日を目指す。
取得資格:LPICレベル2、初級システムアドミニストレータ



編者プロフィール
株式会社ソキウス・ジャパン
クォリティ・メディア・カンパニーを標榜する出版社。2001年11月設立。2002年10月より株式会社インプレスと協業し、これまで30冊近い「徹底攻略問題集」を編纂する。また、自社で月刊「オープン・エンタープライズ・マガジン」を発行、発売している。
http://www.sociusjapan.co.jp/


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第5回:X Window System
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