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多角的に考察する BPM再入門
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第3回:回転寿司から導き出すBPMのパフォーマンス
著者:メタジトリー  丸山 則夫   2006/7/12
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BPMにおいてのパフォーマンス

   BPMはビジネスプロセスマネジメントのことを指しますが、ビジネスパフォーマンスマネジメントと呼ばれる場合もあります。なぜならば、BPMは可視化したプロセスの稼動状況の記録から、ビジネスのパフォーマンスを明らかにするからです。

   今回はBPMのパフォーマンスをテーマにして、パフォーマンスの基本的な事項からKPIやBSCを話題に取り入れます。

KPIとBSCについて

   KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)は戦略目標を設定し、それを実現するための重要成功要因の実施状況を評価するものです。一般的に、KPIはBSCにおける財務/顧客/業務プロセス/学習/組織の成長と比較して設定します。

   またKPIは単なる指針ではなく、その結果を受けてアクションプランが実施できる実践的な目標の整理が重要となります。BPMを実施する時、そのパフォーマンスの測定がKPIに反映されるといえます。

   BSC(Balance Scored-Card:経営戦略立案・実行評価のフレームワーク)は経営ビジョンや戦略からアクションプランまでの因果関係はもちろんのこと、業績評価指標同士の因果関係についても考慮することが重要です。BSCによって目標が数値化されることで、業績評価指標が客観的・定量的に目に見える形となります。

   なお、米ハーバード大学のロバート・S・キャプラン(Robert S. Kaplan)教授と経営コンサルタントのデビッド・P・ノートン(David P. Norton)博士が、「情報化社会の業績評価システム」の究成果として、1992年に「Harvard Business Review」誌上に発表したのがBSCの起源といわれています。

   そして、BSCは次の4つの視点から戦略を策定します。

  • 財務の視点
  • 顧客の視点
  • 業務プロセスの視点
  • イノベーションと学習の視点

表1:BSCにおいて戦略を策定する4つの視点

   その視点(戦略)に対応する個別の重要成功要因/数値目標/KPIを設定します。戦略の計画と実施のチェックをして、アクションのサイクルを回してモニタリングし、戦略にあった事業運営を行います。BPMはプロセスをマネジメントするため、推進と定着に役立つものなのです。


情報システムのパフォーマンス

   パフォーマンスという面で捉えた場合、BPMは情報システム構築技術であり、パフォーマンス設計/測定/評価する重要な技術といえます。パフォーマンス設計では、システムが稼動する時にオーバースペックでコストの高いシステムにしないことが重要です。また、予定した処理ができずに設計や環境を見直さないように、事前に検証する必要があるのです。

   情報システムでよく使われる「パフォーマンス」に関連する言葉には次のものなどがあり、BPMのパフォーマンスの要素と共通のものとなります。

スループット
単位時間に処理できるジョブ量
主に業務トランザクションの複雑さとハードのCPU(中央制御装置)とデータベースの排他制御に影響される。
レスポンス(応答時間)
1つの依頼の返事がかえってくるまでの時間
主に業務トランザクションのI/Oの多さとI/O制御の性能に影響される。
リードタイム
1つのジョブが完了するまでの時間
上記レスポンスと人間の処理に影響される。
待ち時間
ジョブが滞留(動作待ち)している時間 排他制御、I/Oの瞬間、業務処理量に影響される。
空き時間
ジョブを行っていない時間
様々なところで発生する。

表2:情報システムでよく使われる「パフォーマンス」に関連する言葉

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株式会社メタジトリー 丸山 則夫
著者プロフィール
株式会社メタジトリー  代表取締役社長
日本BPM協会  理事   丸山 則夫

経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。

INDEX
第3回:回転寿司から導き出すBPMのパフォーマンス
BPMにおいてのパフォーマンス
  BPMSのパフォーマンス
  パフォーマンス測定用のデータベース
  測定項目