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スパムフィルタ
今時のスパムフィルタの選定基準

第3回:伝説?誤解?スパムの定義

著者:センドメール  小島 國照   2006/12/14
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はじめに

   本連載ではこれまでスパムフィルタ選定にあたっての注意事項や、スパムフィルタの特徴について解説してきました。第3回の今回はスパムフィルタ技術の発展の歴史とよくある誤解、さらにフィルタテストの留意点について解説していきます。

   スパムやフィッシングの世界は、様々な伝説や誤解が満ちています。多くの意図的な伝説は、冷静に分析すれば真実が見えてきます。

人類初のスパム

   最初のスパムはDECスパムと呼ばれており、1978年5月1日にDigital Equipmentの社員が、新製品説明会の案内を米国西海岸のArpanetのほとんどすべてのユーザに送信したものといわれています。しかしこれは、送信者の無知が原因のメール配信で悪意がなかったものと考えられ、正確な意味でのスパムとは若干異なります。

   本当の最初の商業スパムは、Green Cardスパムと呼ばれ、1994年4月に弁護士のCanter・Siegel夫妻が送信したものといわれています。これは、本来無料のGreen Card Lotteryへの参加を有料で行うというものであり、確信犯によるメール送信でした。今日のスパムやフィッシングは、ここから発展したものといってよいでしょう。

   スパムフィルタのはじまりは明確ではありませんが、公式な記録に残るものとしては、1997年にPaul Vixieらにより設立されたDNSBL(DNS-based Blackhole List)があります。DNSBLはスパムの送信元のIPアドレスをデータベースで管理するものです。なお、公式ではありませんが、1997年以前からいわゆるキーワードフィルタや、ヒューリスティックフィルタなどが数多く存在していたものと考えられます。


ブラックリスト(Black List)
   スパムを送信するホストや送信者アドレスなど、そこからのメールを受信したくない送信元の一覧。米国ではBlock Listと呼ぶこともある。

ホワイトリスト(White List)
   優先的にメールを受信する送信元のリスト。ブラックリストが受信拒否したい送信元の一覧であるのに対して、ホワイトリストは、スパムフィルタやDNSBLなどでスパムと判定されても、ホワイトリストにある送信元からのメールならば受信したいというような場合に利用する。米国ではAllow Listと呼ぶこともある。

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センドメール株式会社  小島 國照
著者プロフィール
センドメール株式会社  小島 國照
センドメール株式会社社長
日本タンデムコンピューターズ(現:日本HP)、ストラタスコンピュータ(現:日本ストラタステクノロジー)においてマーケティングおよび技術部門の責任者を勤めた後、サイベース、シャイアンソフトウェア、オブジェクト・デザイン・ジャパンなど、ソフトウェア業界において、マーケティング、製品開発、経営などに携わる。2003年より現職。Sendmail,Inc.入社以前は、ターボリナックスジャパン社長として、日本のビジネス市場における本格的なLinux導入に尽力した。


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INDEX
第3回:伝説?誤解?スパムの定義
はじめに
  スパムの特性
  スパムフィルタを購入する前に
今時のスパムフィルタの選定基準
第1回 スパムフィルタに必要なのは多言語対応/低負担/高検出率
第2回 コラボレーション型スパムフィルタの仕組み
第3回 伝説?誤解?スパムの定義
第4回 押さえておきたいスパムフィルタの技術