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Windows Vistaで発生するデータベーストラブル対応指南 |
第1回:Windows Vistaだと何が起こるのか
著者:一志 達也 2007/7/13
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Windows Vistaで多発するデータベーストラブル
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ご存じの通り、Windows Vista(以下、Vista)の発売開始から、早いもので半年が経とうとしている。見た目が綺麗なだけのまやかしだとか、セキュリティがどうのこうのとか、発売から1ヶ月で2000万本を出荷したとかしないとかいわれているが、何かと話題を提供しているのは事実だろう。
また今年のIT業界を活気づかせるテーマのひとつがVistaであり、この後に控えているWindows Server 2008であるのは間違いなく、残念ながら先頃正式に発表されたLeopard(Mac OSの次期バージョン)ではなさそうだ。
ところで、VistaをクライアントOSにする場合、業務システムは少なからぬ影響を受けることはご存じだろうか。
もし何の対策も行っていないと、Vistaで入力された文字が正しく格納できなかったり、文字列処理において予期しない結果が戻されたりするのである。本連載では、その原因と解決策について、実験を交えて解説を行う。
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問題の発端はJIS X 0213:2004への対応
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Vistaにそれほど詳しくない方でも、新しいフォントが入って綺麗になったとか、そのせいでWindows XPでは表示できない文字が出てくるらしい、ということを聞いたことがあるのではないだろうか。実はその新しいフォントこそデータベースシステムに影響を与える張本人であり、フォントがMac並みに綺麗になったと喜んでばかりはいられないのである。
Vistaの標準となっている新しいフォントは、名前を「メイリオ(注1)」といい、これまで対応していなかったJIS X0213:2004に対応する(注2)。メイリオの採用によってこれまでWindowsで入力できなかった漢字を入力できるようになることが、Vistaの大きな特徴の1つであることは間違いない(注3)。
※注1:メイリオ
JIS X 0213:2004に対応するフォントはメイリオだけではない。Vistaに標準で組み込まれているフォントだけでも、MSゴシック3書体(MSゴシック、MS Pゴシック、MS UI Gothic)とMS明朝2書体(MS明朝、MS P明朝)が対応する。
※注2:JIS X 0213:2004
日本語の文字コード規格のひとつで、通称JIS2004。それまでのJIS X 0208に対して、JISの第3水準と第4水準漢字などを加えたものをいう。2000年に定められたJIS X 0213に対して、後の2004年に若干の改変を受けたものが、JIS X 0213:2004と呼ばれる。
※注3:
マイクロソフトは、Windows XPおよびWindows Server 2003でも、JIS X 0213:2004で追加された文字を表示できるようにするフォントを提供している。これをインストールしていないと、Vistaで入力されるJIS X 0213:2004で追加された文字を表示する術がないので、いわゆる文字化け状態となる。また対応フォントをインストールしても、対応したIME(Vistaに搭載されているのはIME 2007)がなければ、JIS X 0213:2004で追加された文字を入力する術はない。
それ自体は悪いことではなく、長い間もっとも近しい文字で済ませられてきた一部の地域の名称や人名を正しく入力できるようになるのだから、むしろ喜ばしいことだといえる。
このようなフォントや文字に関する話題はすでに各メディアで取り上げられているので、まったく知らなかったという方は少ないだろう。しかし、それによって何が起こり、業務システムでどう対処すればいいのかということに関しては、どうもまだ情報が一元化されていない。
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著者プロフィール
一志 達也
SI企業において、アプリケーション開発や、データベースを中心としたインフラを担当。開発者向け、初心者向けの講座を得意とする。著書に「やさしいOracle PL/SQL入門」「Oracle10g 真剣勝負」などがある。
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