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SaaSビジネスモデル実証実験
SaaSはITビジネスではない!
話者:きっとエイエスピー  松田 利夫
2007/10/5

きっとエイエスピー 松田 利夫

株式会社きっとエイエスピー
代表取締役社長
松田 利夫

きっとエイエスピーの代表取締役社長でCSAJのSaaS研究会メンバー
http://www.kitasp.com/
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Think ITの読者の皆様へ〜松田 利夫氏からのメッセージ〜
   これからのSaaSを一緒に作り上げていきたいと考える方へのメッセージ



レガシーアプリケーションをSaaS化するプラットフォーム

シンクイット — 今回、CSAJのSaaS研究会による「SaaSビジネスモデル実証実験」に参加されているわけですが、御社が目指すものはなんでしょうか。
松田氏:弊社では「アプリケーションベンダーがSaaSを提供するためのプラットフォーム」をビジネスとして立ち上げようとしています。しかし、プラットフォームだけではだめで、実際にその上で動作するアプリケーションが必要です。

   そのためのテストを個別に行うこともできますが、やはりある程度の量を実際に動かしてみることが、テストであり評価につながります。今回の実証実験は、まさに検証を行う上でよい場であると考えています。


SaaS研究会主催「SaaSビジネスモデル実証実験」参加募集について
http://www.csaj.jp/committee/saas/070810_experiment.html
SaaSビジネスモデル実証実験の概要
http://www.csaj.jp/committee/saas/saas_gaiyou.pdf

シンクイット — SaaSを提供するためのプラットフォームとはどのようなものでしょうか
松田氏:「きっと・アプリケーション・サービス・プラットフォーム」を利用することで、次のようなアプリケーションをSaaSとして提供できるようになります。

Webアプリケーション
Webサービス
マイクロソフトWindowsアプリケーション
  • デスクトップアプリケーション、Windows95/98/Me/2000/XP/Vista
  • サーバアプリケーション、Windows 2000 Server/2003 Server
X Window Systemアプリケーション
  • Linux,Solaris,AIX,HP/UX
クライアントサーバアプリケーション

表1:SaaS化対象アプリケーション

   これらのアプリケーションのソースコードに一切手を加えることなく、SaaS化することを基本方針としています。

きっと・アプリケーション・サービス・プラットフォーム
図1:きっと・アプリケーション・サービス・プラットフォーム
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

シンクイット — ソースコードに手を加えないという基本方針の意義はなんでしょうか
松田氏:様々なベンダーが集って実験を行おうとした場合、共通のプラットフォームがなくては参加することができません。さらに、そのプラットフォームはニュートラルなものであるべきでしょう。

   例えば、あるプラットフォームに対して個々のアプリケーションが接続しようとしたとき、接続部分に対するアプリケーションベンダーの開発コストがかかるケースを考えてください。プラットフォームが1つであればそれでも問題はないかもしれません。しかし、また別のプラットフォームに接続しようとしたら、別にコストが必要だといわれると、それはアプリケーションベンダーにとって大きな負担になります。

   残念ながら既存のアプリケーションがSaaS向けに作られていない以上、ビジネスとしてSaaSに適合できるかはわかりません。しかしソースコードに手を加えずにSaaS化できるプラットフォームがあれば、実際にやってみて問題を浮きぼりにし、それからコードに手を入れることができるようになるのです。


みんながSaaSをわかっていない

シンクイット — 実証実験を行われる中で、どのようなことを感じましたか
松田氏:様々なベンダーの方々とお会いしている中で、自分も含めて「みんなSaaSがわかっていない状態なのだ」と感じています。我々は今、「SaaSのプラットフォームというものは、恐らくこういう技術で構成されるだろう」ということが想定できる位置にいるのです。

   しかし「SaaSとして、どういうビジネスが実現できるか」はまだわかっていないと思います。今はまだSaaSを提供しようとする側が一所懸命になっている段階で、「誰が売って、誰が使う」というモデルが確立されていないのです。

   今あるのはアプリケーション群と技術だけなので、実際に動作させ、皆が使いはじめ、そこから考えていかないとSaaSの本当のビジネスモデルはみえてきません。今回の取り組みは技術的な部分だけではなく、SaaSというモデルそのものに対しての実証実験であるといえるでしょう。経験の場であり、それを通してSaaSに向かう方向性をみんなでみつけましょう。そのためにはミニマムコストで参加できる環境が必要だったということです。


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