【バグ管理の作法】本当に怖いバグ話
第3回:フォルダごとドラッグ&ドロップしないでしょ
著者:シンクイット編集部
公開日:2007/12/21(金)
フォルダごとドラッグ&ドロップしないでしょ
「第2回:一行減らせて嬉しかったのに…」では、プログラマが体験した怖い話をお届けした。「あるある」と思うか、「ねーよ」と感じるか、それとも思い出したくもないトラウマに枕を涙で濡らすのかは、まさしく読者のこれまで経験してきたことによるだろう。
第3回となる今回は、プロジェクトを進める中で遭遇してしまった恐怖体験をお伝えする。「バグ」というよりも「バグが湧いている人」とでも言いたくなるような、そんなマイナスキーパーソンが引き起こすトラブルに頭を抱えてもらいたい。
なお、この話が事実か想像の産物なのかは、読者の判断にお任せする。
では、1つ目として30代 SEのI氏の体験から、ドラッグ&ドロップが引き起こした悲劇を紹介しよう。
「ありえなかった出来事ですよ。アレは…。
確かにあの3日間はほとんど寝る時間もなく、皆の意識が朦朧としていたのは確かです。でもフォルダごとドラッグ&ドロップしてくれなくてもいいでしょう?」
「もう何年も前の話ですけれど、そのプロジェクトではファイルサーバ上で作業用のファイルを一括管理していました。作業担当者は必要なファイルをサーバにおいたまま、クライアントマシン上で開いて編集を加えていました。
確か30フォルダそれぞれに100個程度のファイルがあったと思います。プロジェクトメンバー10人が担当フォルダごとに作業を進めていました。とにかく早く修正を終わらせなくては、という意識でいっぱいでした。
そのときには気づかなかったんですよ。メンバーの1人のJ氏が、サーバ上のファイルではなくクライアントにファイルをダウンロードして作業していたことに。
最後のファイルの修正が終わったのは夜中の2時だったでしょうか。『終わったー!!』という歓声の後でJ氏がぽろっと言ったんですよ『じゃ、ファイルアップロードしておきますね』と。
『あぁ、お願いね』と気づかず答えたヤツもヤツなのですが、まさか変更前の全部のフォルダがJ氏のマシンにダウンロードされていて、それがアップロード開始されてしまうとは…。
J氏の担当分のファイルは、きちんと修正されていましたよ? でもそれ以外のメンバーのそれまでの作業時間は…」
「自分の分は終わったので帰ります」とJ氏が言い出さなかったことだけが、まだ救いなのかもしれません。言える雰囲気では、なかったのでしょうが。
続いては、パフォーマンスのトラブルシューティングにまつわる怖い話をお届けしよう。 次のページ