アバナード株式会社 I&S ケイパビリティ・ディレクター 和田 玄氏
東京大学卒業後、大学院在学中にアクセンチュア入社。技術グループのITコンサルタントとして、さまざまなクライアントでシステム設計、構築に携わる。2005年、アバナードの日本法人の立ち上げに参加。現在、リーダーシップメンバーの1人として、社内の様々な意思決定に携わる。
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アバナードは、マイクロソフトとアクセンチュアが出資した合弁企業で、グローバルレベルで事業を展開しています。マイクロソフト側からは「自社のソリューションを正しくユーザに届ける」という役割を、アクセンチュア側からは「特定のテクノロジに特化し、SIの現場をリードする」という役割を、それぞれ期待されています。
この役割を果たすべく、2005年の日本法人立ち上げと同時に、Windows VistaやExchange Server 2007、SharePoint Server 2007、.NETといった技術を用いたソリューションにいち早く対応してきましたし、実際にクライアントに導入するプロジェクトをすでにいくつも実施しています。
以前から製造業の案件は多かったのですが、最近では金融や流通・サービス、さらに官公庁も含め、マイクロソフトの技術やソリューションを適用したいというニーズは非常に多く、マーケットは拡大している、と実感しています。これまでであればメインフレームやUNIXが中心だった領域についても、マイクロソフトのソリューションを使いたいという声が最近では増えています。
これは同時に、当然プロジェクトの進め方や作り方といった面で旧来の大規模プロジェクトと同程度のレベルを求められることにもつながります。マイクロソフトの技術やソリューションが適応される範囲は広がっている一方で、プロジェクトに対する品質要求も上がっているといえるでしょう。
つまり、マイクロソフトの技術に対する深く正しい知識を持ち、その活用方法を熟知し、かつ一定以上の品質でプロジェクトを進めることができるという会社が求められています。しかし、そのような要件を満たす企業は少ないというのが現状ではないでしょうか。
グローバルでの共通のメッセージになりますが、マイクロソフトのエンタープライズソリューションにおいて「Premium」な存在になるという目標を掲げています。ポイントは技術力とクライアントからの信頼です。
「私たちは、マイクロソフトに特化している」ことを明確にすることで、技術面で他者との差別化をはかる一方、ユーザサイドに立ったソリューション展開を目指しています。対象とする領域も、サーバやデータベースなどのインフラ領域からBI・ポータルといった企業カルチャー、最近ではCRMをはじめとする業務パッケージに至るまで、幅広くカバーしています。
日本での設立は2005年になります。実は日本でアバナードを設立するまでには2つのステージがありました。最初のステージは、アバナード本体が設立された2000年頃のことになります。その時点での日本のエンタープライズ市場では、マイクロソフトソリューションのニーズはまだ主流とは言えず、設立の見送りを判断しました。
2005年に再度アバナード設立の機会が訪れ、市場の状況から、日本法人設立の機が熟したとの判断が下されました。そして、同年の10月からビジネスを開始しました。最初は15人という非常に小さな母体からのスタートでしたが、これは設立時の「Think Big Start Small」という考え方がベースにありました。
当時はアクセンチュアから移籍したメンバーでスタートしたのですが、2006年1月から正式に採用活動をスタートし、その年の10月までに60人体制を実現しました。
設立当初はアクセンチュアやマイクロソフトが進めているプロジェクトに対し、そのスキームの中に弊社のエンジニアを投入する、というのが主な形態でした。
しかし社員数が多くなるに従い、チームとしてのミッションを持ってプロジェクトに参加できるようになり、技術的な領域をすべて弊社のメンバーで担当するプロジェクトも増えてきました。さらに現在では、自分たちが顧客企業との間で直接契約し、独自のプロジェクトを手掛けるまでになっています。
アクセンチュアのプロジェクトには、顧客の規模や、業務設計への参画などのメリットがあります。またアバナード独自のプロジェクトであれば、より新しい技術の適応にフォーカスすることも可能となります。今後もアクセンチュアのプロジェクトと、アバナード独自のプロジェクトのバランスを取りながらビジネスを進めていくことになります。
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