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まるごと PostgreSQL!
PostgreSQLチューニング実践テクニック

第7回:オプティマイザに関するチューニング

著者:石井達夫(ISHII, Tatsuo)   2005/6/20
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オプティマイザに関する注意点

   PostgreSQLは、オプティマイザが自動的に最適な問い合わせプランを見つけてくれるので、たいていの場合は、「おまかせ」でできる限り高速に問い合わせを処理してくれます。

   しかし、PostgreSQLのオプティマイザも完璧ではないので、特定のケースではうまく動作しないこともあります。以降では、特に注意しなければならないケースを取り上げます。なお、これらの注意事項はPostgreSQLの実装に深く関わっているため、PostgreSQLのバージョンが違うと適用できなくなるものもあります。あくまでPostgreSQL 7.4系での注意事項であることに留意してください。


LIKE/正規表現検索

   LIKEや正規表現を使うと、一部の文字列だけに一致するような、より緩やかな条件での検索が可能になります。しかし、インデックスが有効なのは前方一致かつ大文字と小文字を区別する検索のみです。したがって、大文字と小文字を区別しないILIKEや.*ではインデックスは使えません。どうしても大文字小文字を区別しない前方一致検索を高速に行いたい場合は、upper()と関数インデックスを組み合わせて使用します。


式インデックス、関数インデックスでは正確な統計情報が得られない

   式インデックスや関数インデックスを作っても思ったようにインデックスが使われないことがあります。これは、式インデックスや関数インデックスに関しては正確な統計情報が得られないからです。このような場合は、何らかの方法で強制的にインデックスを使うようにします。最も簡単な方法は、次のコマンドを実行することです。

SET enable_seqscan TO off;
日付データに注意

   日付を表すデータ型には、TIMESTAMP、TIMESTAMPWITH TIMEZONE、DATEがあります。通常は、これらを混合して計算、比較を行っても自動的に型変換が行われるため気づきにくいのですが、これらの型は、インデックスを使用するかどうかに大きな影響を与えます。たとえば、次のようにテーブルとインデックスを作成したとします。

CREATE TABLE t1(d DATE);
CREATE INDEX t1index ON t1(d);

   このとき、次のような検索では作成したインデックスが使われません。

SELECT * FROM t1 WHERE d > '2004/12/1'::DATE + '1 month'::INTERVAL;

   これは、「'2004/12/1'::DATE + '1month'::INTERVAL」の計算結果がTIMESTAMP WITHOUTTIMEZONE型に変換されるためにDATE型と一致しなくなるからです。

   この場合は、次のようにキャストすれば型が一致するのでインデックスが使われるようになります。

SELECT * FROM t1 WHERE d > ('2004/12/1'::DATE + '1month':: INTERVAL)::DATE;
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発売日:2004/12/08発売
定価:\1,890(本体 \1,800+税)
石井達夫
著者プロフィール
石井達夫(ISHII, Tatsuo)
PostgreSQLの開発者、エバンジェリスト。本業でもPostgreSQLによるビジネスに関わっている。著書に「PostgreSQL完全攻略ガイド」「PHPxPostgreSQLで作る最強Webシステム」(技術評論社)などがある。


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INDEX
第7回:オプティマイザに関するチューニング
オプティマイザに関する注意点
  SMALLINT、BIGINTにもご用心
  関数を使うほうがよい場合もある
PostgreSQLチューニング実践テクニック
第1回 postgresql.confによるチューニング(1)
第2回 postgresql.confによるチューニング(2)
第3回 VACUUMの活用によるチューニング
第4回 インデックスの活用によるチューニング
第5回 高度なインデックスの活用
第6回 統計情報の最適化
第7回 オプティマイザに関するチューニング
第8回 GROUP BYを使用したチューニング