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実践!ビジネス・プロセス・インテグレーション
第2回:ビジネスフローの設計
著者:
日本アイ・ビー・エム 小倉 弘敬、佐藤 泉、津田 佳一
2005/12/28
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はじめに
「
第1回:BO定義とインターフェース定義
」ではBPIの具体的な実装例として、天然の原木一枚板を使ったダイニング・テーブルの販売を行っているO社のネット注文システムを取り上げた。ネット注文システムを構成する各システムの構成を整理し、それぞれのシステムのインターフェースとなり、成果物であるWSDLおよびXSDを作成する流れを説明した。
前回から引き続いて、今回もビジネスプロセスの実装について説明する。
ビジネスプロセスフローの設計
ビジネスプロセスフローの設計では、ビジネスプロセスを実現するために個々のロジックやサービスをどのような順番で呼び出していくなど、処理のコントロールに関する仕様を決めていく。ビジネスプロセスの成果物はビジネスプロセスを定義するための標準言語であるWSBPELによって記述される。本連載では執筆時点(2005年12月)で最新版であるVersion 1.1に基づいて解説を行う。WSBPELについては「
第2回:BPIのビジネス要件とそれを実現するための機能
」も参照して頂きたい。
定義されるアクティビティ
WSBPELでは基本アクティビティと呼ばれる各ステップでの処理を規定するアクティビティが定義されている。これには処理の受付を行う"Receive"やサービスの呼び出しを行う"Invoke"、補償を行うための"Compensate"などが含まれる。
Receive
メッセージの到着を待ち受ける。メッセージが到着した際に新規プロセス・インスタンスを作成することもできる。
Reply
受け取ったメッセージに対する返信を返す。
Invoke
Partnerにより提供される一方向、および要求・応答の操作を実行する。
Assign
変数の値を新しい値でアップデートする。
Throw
ビジネスプロセス内でfaultを生成する。
Rethrow
Fault handlerの中でキャッチしたfaultと同じfaultを生成する。
Wait
指定期間または指定時刻まで処理を停止する。
Compensate
Compensation handlerを起動する。
Terminate
プロセス・インスタンスをすぐに停止する。
Empty
何もしない。
表1:WSBPELの基本アクティビティ
画像はWID Version 6.0でのエディタ上の表記に基づいている
また、構造化アクティビティと呼ばれる処理の流れを制御するためのアクティビティも定義されている。一連のシーケンシャルな処理を行なうための"Sequence"や複数のパスから特定のパスを選択して実行する"Switch"、複数のパスを並列して実行するための"Flow"などがこれにあたる。以下にこれらアクティビティの一覧を示す。
Sequence
複数のアクティビティが順番に実行される。
Flow
複数のアクティビティが平行して実行される。
Swith(Choice)
複数のパスから1つのパスを選んで実行する。
Link
実行順序を制御するためにFlow内の2つのアクティビティを同期する。
While
条件が満たされるまでアクティビティを実行し続ける。
Pick(Receive Choice)
複数のメッセージを待ち受けて、そのどれか1つに対応する処理を実行する。
表2:WSBPELの構造化アクティビティ
画像はWID Version 6.0でのエディタ上の表記に基づいている
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著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社 小倉 弘敬
日本アイ・ビー・エムソリューション開発 インテグレーション所属
ソフトウェア・エバンジェリスト。担当分野は、ビジネス・プロセス・インテグレーション(BPI:Business Process Integration)。WebSphere Business Integration(WBI)ソリューションセンターで、BPIソリューションの開発/提供に従事する。
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社 佐藤 泉
入社以来、ワークフロー、ビジネスプロセスエンジン、ビジネスプロセスモニターなどのソフトウェア製品の開発やそれらの製品をベースとしたソリューションの提案活動に従事。
特に、SOAに則ったBPI(Business Process Integration)やBIO(Business Innovation and Optimization)を得意分野とする。
著者プロフィール
日本アイ・ビー・エム株式会社 津田 佳一
日本アイ・ビー・エム ソリューション開発 インテグレーション所属
BPIソリューションの開発/提供に従事する。
INDEX
第2回:ビジネスフローの設計
はじめに
WSBPELの記述
サービス呼び出し(Invoke)方式
コンペンセーション(補償ロジック)の設計