第2回:リッチクライアントとIdbA (1/4)

IdbA
IdbAで構築する生産性が高いリッチクライアント

第2回:リッチクライアントとIdbA
著者:サイオ  菅野 正樹、柏 貴光   2005/9/27
1   2  3  4  次のページ
現状のシステムが抱える問題

   システムのメンテナンス性・保守性と聞くと何を思い浮かべますでしょうか。管理職に近い方なら、まずは「低コスト」というキーワードでしょうか。開発者か運用者の方なら「プログラム修正や配布の容易性」といったところがあがってくるのではないでしょうか。ではこれらについて、現状のシステムがどうなっているか見てみましょう。

   現在、最も普及しているシステムといえば、やはりWebアプリケーション(Webサービス)でしょう。Webアプリケーションは、それ以前のC/S型システムが抱えていた問題であった導入・開発のコストや先述の配布の容易性という観点からは高く評価できますが、トレードオフとしてC/S型の良い点(クライアントアプリケーションの操作性など)を失ってしまいました。
リッチクライアントの誕生

   では、これら2つの形態の「イイとこ取り」はできないのでしょうか。そういった市場の要望を受けてでてきたのがリッチクライアントです。ご存知のようにリッチクライアントという技術は、まさしく「表現力豊かな操作性」と「アプリケーション配布の容易性」という、先に述べた2つの弱点を克服するためのものとして誕生し、注目されるようになりました。

リッチクライアントの優位性
図1:リッチクライアントの優位性

   本連載であげるIdbAはこのような背景を受けて登場し、リッチクライアントのアプリケーションを開発するプラットフォームとして注目されています。


IdbAとリッチクライアント

   それでは、IdbAはただのリッチクライアントプラットフォームなのでしょうか。答えはNoです。前回で解説したRimless Computingの実現のために開発されたIdbAは、その機能の一部としてリッチクライアントプラットフォームを提供します。したがって、単純にWebアプリケーションの弱点克服といった狭い観点ではなく、より価値の高いサービスを提供できるアプリケーションプラットフォームなのです。

リッチクライアントはIdbAが提供する機能の一部
図2:リッチクライアントはIdbAが提供する機能の一部

   今回は、特に市場ニーズが高まってきているリッチクライアントにスポットした形で、9月12日に発表した「IdbA R1.5」についての情報を交え、IdbAの特徴や機能、開発時のポイントなどを紹介します。

1   2  3  4  次のページ


株式会社サイオ 安田 知弘
著者プロフィール
株式会社サイオ  菅野 正樹
同社の設立に参加し、1998年より現職に就任。代表取締役社長の安田とは1985年より株式会社ワイエス及び同社のプロジェクトを共にし、安田のソフトウェア構想の具現化に尽力する。東京都生まれ。


株式会社サイオ 安田 知弘
著者プロフィール
株式会社サイオ  柏 貴光
大阪の大学を卒業後、SI企業に入社。SEとしてオープン系システムの設計、開発から導入までを幅広く行う。2005年4月にサイオへ入社し、IdbAの可能性を世に広めるためライセンシング事業の立ち上げに尽力する。IdbA製品企画を担当する傍ら、同社のメールサービス「SCIO RHYTHM」の編集長も手がける。また、Linuxコンソーシアム運営委員メンバーとして広報を兼任、同コンソーシアムが発行するメールマガジンの編集長を担当。


INDEX
第2回:リッチクライアントとIdbA
現状のシステムが抱える問題
  IdbAの特徴
  オートコンポーネントの種類とコンポーネント間の連携
  開発時のポイント
IdbAで構築する生産性が高いリッチクライアント
第1回 Rimless Computingとは?
第2回 リッチクライアントとIdbA
第3回 コンポーネントの開発事例
第4回 これからのリッチクライアント
第5回 開発生産性を向上するIdbA R2.0と、その方向性
関連記事 : Biz/Browserで経営の効率化を実現する
第1回 リッチクライアントとBiz/Browser
第2回 Biz/Browserの運用事例
第3回 「Biz/Browser」の機能紹介
第4回 「Biz/Browser」の機能による生産性の向上
第5回 「Biz/Browser」の「昨日」「今日」「明日」
関連記事 : リッチクライアントCurlの特徴と導入実態
第1回 リッチクライアントの発展とCurl
第2回 ドキュメントを活用したCurlアプリケーションの開発
第3回 Curlアプリケーションの公開
第4回 Curlの適用事例(前編)
第5回 Curlの適用事例(後編)
関連記事 : リッチクライアントの現状と今後の動向
第1回 リッチクライアントとは
第2回 リッチクライアントの市場調査結果
第3回 リッチクライアントの適用事例
第4回 リッチクライアント製品/技術動向
第5回 リッチクライアントの将来
Eclipseで実現するリッチクライアントの世界
第1回 他とは異なるEclipse RCPの特徴
第2回 アプリケーションを実際に作ってみる(前編)
第3回 アプリケーションを実際に作ってみる(後編)
第4回 アプリケーションの配布

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る