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勝ち組に学ぶシステム導入事例
第1回:SOAのアプローチでのシステム構築事例
著者:
日立システムアンドサービス 山本 貴禎
2006/2/24
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はじめに
今回はXMLデータベース「NeoCore XMS」を使ったシステム構築事例として、ある損害保険会社で構築した保険契約者向けのインターネットサービスサイトについて紹介する。
本システムは、WebベースのCRM(Customer Relationship Management)システムであり、保険契約者の様々な情報をXMLDBで管理し、この情報をベースにして保険契約者への様々なサービスを提供している。
このシステムの概要を紹介するとともに、このシステムを構築するにあたってなぜXMLDBを利用することにしたのか、また数あるXMLDBの中でなぜNeoCore XMSを選択したのかについて言及していく。
システムの概要
損害保険業界では代理店を通した保険商品の販売やサポートを行うことが多かった。いわゆる「間接的」な商流がメインの業態だが、インターネットの普及に伴い、より「直接的」かつスピーディに顧客への商品情報の発信や顧客サービスの提供などを行うようになってきた。さらに、OneToOneマーケティングをより強力にする手段としてもインターネットが利用されてきている。
今回の事例で紹介する損害保険会社においても、保険契約者へのサービス向上とマーケティング強化の一環として、保険契約者に次のような様々なサービスを提供するためのインターネットサイトを構築し、サービスを開始している。
契約内容の照会
事故の解決状況の参照
自動車免許の更新時期の通知
表1:保険契約者に対して提供したいサービス
そして図1は今回事例として紹介するシステムの概要図である。
図1:保険契約者に対してのサービス提供サイト概要図
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
フロントエンドは2種類ある。1つはインターネット上で公開されている保険契約者向けのポータルサイトであり、もう1つは社内向けにサポートや情報提供の業務を行うものである。ユーザインタフェースはすべてWebブラウザを利用する形態となっており、社外/社内用ともに日立製のJ2EEアプリケーションサーバ「Cosminexus」上に構築している。
バックエンドとの連携
また、このシステムのバックエンドには2種類のシステムがつながっている。1つはNeoCore XMSであり、CRMとして利用するアンケートなどの様々な保険契約者の情報を管理している。もう1つはメインフレームとUNIXサーバ上に構築されている基幹業務システムであり、これらのシステムでは保険の試算や契約などの保険会社としてのコアな業務を行っている。
そして、フロントエンドとバックエンドをつなぐプラットフォームとして、ESB(Enterprise Service Bus)製品「PolarLake」を利用している。
例えば、保険契約者がインターネット上に公開されているWebサイトを使って自分の契約内容を閲覧したり、事故発生時の解決状況を照会することができるが、その場合には基幹業務を行ってるメインフレームやUNIXサーバ上のシステムにリアルタイムで問い合わせて最新の情報を参照できるようになっている。
また、保険契約者が登録したアンケートなどの情報はNeoCore XMSに登録され、これを社内から自動車免許の更新時期が近づいていることを通知するサービスやキャンペーン情報やダイレクトメールを配信する保険契約者を抽出するために利用している。
このシステムを構築した当時はそれほど意識していなかったが、すでに存在する業務システムや新しいシステムを「サービス」として利用できるようにしており、本事例はSOAのアプローチとしてのシステム構築事例にもなっている。
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株式会社日立システムアンドサービス
コンサルティングからシステムの企画・設計、開発、保守・運用にいたるトータルソリューションをワンストップでお客様に提供
NeoCore XML Management System
http://www.hitachi-system.co.jp/neocore/
著者プロフィール
株式会社日立システムアンドサービス
PolarLakeソリューション推進センタ 主任技師
山本 貴禎
この数年、Java EEや.NETのWebアプリケーション開発、技術コンサルテーションに従事している。現在では、NeoCore XMSなどのXML関連製品のサポートにも携わっており、特にSOA/ESB対応製品PolarLakeの日本国内への普及をメインテーマとしている。
INDEX
第1回:SOAのアプローチでのシステム構築事例
はじめに
システム構築における問題点
XMLDBという選択肢
なぜNeoCore XMSが採用されたか