ストレージ仮想化に対するEMCの取り組み
ストレージを効率良く運用する仮想プロビジョニング
今回は、EMCが提供する「今すぐ活用できるストレージ仮想化技術」から、以下を中心に紹介していきます。
(1)仮想プロビジョニング
(2)仮想LUN
(3)完全に自動化されたストレージ階層化 FAST(Fully Automated Storage Tiering)
(4)仮想環境でのパス制御
(5)物理と仮想環境のエンド・ツー・エンド管理
仮想プロビジョニングでは、サーバー、アプリケーションに対して、実装している以上の容量を仮想的に割り当て、プール化された共通プールが実際に使用している分だけが物理的な割り当てとなるため、利用率を大幅に向上できます。
通常、新規のアプリケーション用などにストレージをプロビジョニングする場合、管理者は現時点で必要な容量ではなく、将来必要となる容量を考慮してプロビジョニングを行います。その際、ストレージ容量がなくなり、アプリケーションやビジネスのプロセスが停止してしまうリスクを軽減するため、また近い将来、再度プロビジョニングしなければならない頻度を減らすために、管理者ははじめから実際に必要以上の物理ストレージを割り当てしまいがちです。それにより、調達や運用の費用の悪化をもたします。
これらの問題を解決するのが仮想プロビジョニングです。これは「シン・プロビジョニング」ともよばれ、必要な場合にのみ共通プールから物理ストレージを使用して、ホストに自動的に割り当てます。仮想プロビジョニングによって、ストレージの有効活用だけでなく、従来のストレージ・プロビジョニングにかかっていた手間や時間を劇的に削減することが可能です。
無停止でデータを移行する仮想LUN
仮想LUN(Logical Unit Number)は、単一のストレージ・システム内において、移行元となるLUNから同じ、もしくはより大きいサイズの移行先LUNに対して、アプリケーションの停止を伴わないデータ移行を実現するテクノロジーです。仮想LUNは下記の価値をユーザーにもたらします。
・ストレージ筐体内での情報ライフサイクル管理(ILM)の実現
・パフォーマンスの向上
・無停止のシステム構成変更
仮想LUNにより、効果的な情報ライフサイクル管理戦略の構築と実行が可能です。情報ライフサイクル管理とは、あらかじめ定義したポリシーに従ってアクセス頻度の少なくなったデータを、高速なファイバ・チャネル・ドライブからより低速で大容量、安価なSATAドライブなどに自動移動させる技術です。これにより、ハードウエア・リソースをより効率的に使用し投資対効果の最大化を図ることが可能です。
さらに、仮想LUNは過負荷のディスクから負荷の低いディスクにデータを移行させることで、パフォーマンス向上を実現します。従来、多くの通常の移行技術では、LUNの特性の変更は許されません。一方、仮想LUNは、異なる特性のLUNへ移行することが可能で、パフォーマンス向上を実現します。また、仮想LUNによって、ディスク・アレイ・エンクロージャー間を無停止でデータ移動させることが可能です。そのため、ホストにかかるオーバー・ヘッドを削減し、システムを停止しないサービス・レベルを維持した構成変更を実現します。
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