米Red HatがRHELの無償サブスクリプションを提供、米MSがWindows 10でコンテナをサポート、ほか

2016年4月8日(金)
吉田 行男
米国Red Hat社は3月31日、RHELの無償サブスクリプション「Red Hat Enterprise Linux Developer Suite」を提供開始したと発表しました。

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

4月に入り、桜前線は東北南部を北上中です。この先も気温が高くなる見込みで、来週には東北北部でも開花するそうです。4月下旬には津軽海峡をわたり、ゴールデンウィークには北海道でもお花見を楽しめるようです。

今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。

「Red Hat Enterprise Linux」、開発者向け無料サブスクリプション提供

米国Red Hat社は3月31日、同社のRed Hat Developer Programの一環として、RHELの無償サブスクリプション「Red Hat Enterprise Linux Developer Suite」の提供を開始したと発表しました。このサブスクリプションを利用することで、開発者はエンタープライズ向けアプリケーションを開発できる安定したプラットフォームを使えるようになります。なお、このサブスクリプションではサポートへの問い合わせや本番アプリケーションの構築はできません。また、今回提供されたサブスクリプションにより、クラウドネイティブなアプリケーションおよびマイクロサービスの開発者は「Red Hat Container Development Kit」にもアクセスできるようになります。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35080602

コードはオープンソースで提供:米マイクロソフト、AWS Lambda的なサービス「Azure Functions」を発表

米国マイクロソフト社は3月31日、AWS Lambda、Google Cloud Functionsと同様のイベントドリブンでサーバレスなコンピュートサービスである「Azure Functions」を発表しました。「プレビュー」という位置付けで無償提供が開始されており、誰でも利用することができます。同社はさらに、Azure Functions関連コードをオープンソースとして公開するため、Azure以外のプラットフォームでも動かせるようになります。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1604/01/news070.html

Windows 10でもWindows Serverと同様のコンテナが利用可能に。Hyper-V ContainersがWindows 10に搭載予定と発表

米国マイクロソフト社は開発者カンファレンス「Build 2016」の最終日である4月1日、「Windows 10」でコンテナをサポートすることを発表しました。Windows 10には仮想化ハイパーバイザの「Hyper-V」を用いて高度なコンテナ分離を実現する「Hyper-V Containers」が搭載されるとのことです。搭載予定のコンテナ機能によって、開発者は「Visual Studio」などの開発ツールを用いたサーバサイドアプリケーションの開発環境だけでなく、実行環境も含めてすべてをWindows 10で構築できるようになります。

(参照記事:http://www.publickey1.jp/blog/16/windows_10_hyper-v_containers.html

Linux Foundation、社会インフラ向けソフトウェア共通基盤「Civil Infrastructure Platform」立ち上げ

The Linux Foundationは4月4日、オープンソースフレームワーク「Civil Infrastructure Platform(CIP)」を発表しました。CIPは電気、石油、ガス、水道、医療、通信、交通といった社会インフラサービスの提供支援を主眼に置いたソフトウェア基盤で、Linuxカーネルやその他のオープンソースプロジェクトと協力して社会インフラ向けソフトウェアにおける基本レイヤーの確立をめざします。CIPは社会インフラ向けソフトウェアに欠かせない構成要素をオープンソースで用意することで、社会インフラのプロジェクトが直面する課題に対処します。これによって、開発コストや開発時間の削減、信頼性や相互運用性などを向上させることが狙いです。

(参照記事:http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1604/06/news132.html

ミラクル・リナックス、システム監視ソフト「MIRACLE ZBX 3.0」コミュニティ版を提供

ミラクル・リナックスは4月5日、オープンソースベースのエンタープライズ向けシステム監視ソフト「MIRACLE ZBX 3.0」をコミュニティ版として一般公開したと発表しました。また、同ソフト向けのサポートサービスを同日より提供開始しました。MIRACLE ZBXは、オープンソースで開発されているシステム監視ソフト「Zabbix」をベースに機能拡張を加えたソフトウェアで、今回公開するコミュニティ版のMIRACLE ZBX 3.0はZabbix 3.0をベースに、主に国内企業ユーザーから寄せられた不具合修正や機能拡張などの要望を反映しています。

(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20160405_751618.html

編集後記

新年度が始まり、各地で入学式が行われています。中でも東京工業大学ではグローバル人材育成の一環として、学長の式辞がすべて英語で行われました。また、今年度から学生が留学しやすい環境を整えることを目的として、4学期制を導入する大学も多くなっています。
これからは世界で活躍できる人材の育成が大学でも、企業でも重要なことになっていくようです。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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