連載 :
  ReadWrite Japan

日立がIoT事業に28億ドルもの再投資。Lumadaプラットフォームに未来を託す - IoT World conference開催

2016年6月10日(金)
ReadWrite Japan

日本の大企業である日立製作所は、今後3年間のIoT関連の活動に倍賭しており、莫大な金額をこれまで投資してきたがそれに加え、今回さらに28億ドルもの金額を投資した。また、日立が新しく設立した米国に拠点を置く部署は、IoTビジネスを加速することを目的とし、新たなIoTのコアプラットフォームを打ち出した。

Bloomsbergのレポートによると、日立はIoTの研究開発や設備投資、企業買収のために28億ドルを準備しているという。このIoTに焦点をおいた部署「Hitachi Insight Group」には、この資金のうち約9.18億ドルが割り当てられ、6000人が雇われることになる。残りの資金は、同社の他のIoTへの取り組みに充てられ、さらに1万人の雇用が生まれるという。

5/10にIoT World conferenceで発表された同部署は、2015年に54億ドルという巨額の利益を上げた日立の33ものIoTソリューションのさらなる拡充を図っていく。Santa Claraに本社を置く関連子会社では、AT&T、Microsoft、IntelやSAPとの間でこれまで行われてきたIoTでの事業協力をより活性化させるつもりだ。

そんなHitachi Insight Groupの最初の仕事は、エンタープライズ向けのIoTコアプラットフォームである『Lumada』をIoT World Conferenceでお披露目することだった。

「Hitachi Insight Groupの設立とLumadaプラットフォームの立ち上げを通じて、日立の顧客やパートナーに大規模で一貫したデジタルソリューションを最もシンプルかつスピーディーに開発、導入する方法を提供します」と日立の執行役専務でサービス&プラットフォームビジネスユニットCEOの小島啓二氏は語った。

この新部署は、IoT部門を統合することで世界のIoT業界におけるシェアを高めることを狙っており、そのプロジェクトは2020年までに1.46兆円規模になるという。
Hitachi Insight Groupは、このプロジェクトの鍵となるスマートインダストリー、スマートエネルギー、スマートシティ、そしてスマートヘルスケアの4つのIoT分野での研究及び市場開拓を考えている。

日立が打ち出すLumadaプラットフォーム

また、日立は、「Lumadaプラットフォームは、わが社のIoT製品およびサービスの重要な基礎を構成するものになる」といっている。さらには、Lumadaのオープンかつ適応性の高い構造は、シミュレーション・モデル、データ・オーケストレーション、コンテンツ・インテリジェンス、ストリーミング解析、およびその他の日立のソフトウェア技術を支えるものになるという。

「Lumadaは、日立のオペレーション技術や情報技術を利用するためのIoTソリューションの構築にまつわる課題を解決するためにデザインされたものです。そして、情報分析を加速し、より早く価値を生み出し、より高い生産性や安全性、プロセスの最適化、オペレーションコストの削減などに関する適切な判断の実現をサポートするために使われます」と同社はリリースに際してそう語った。

日立が行っている幅広いIoTの取り組みとしては、再生可能で持続的なエネルギーや高度道路交通システム、精密農業と製造業、スマートシティや公共安全ネットワークのためのソリューションとサービス、そして建設と鉱業、都市開発と水処理などが挙げられる。

「IoTは重大な変革期を迎えており、ビジネス、工業、社会などにおける利益がこれまでにないレベルで入り組んでいる状態です」と、Hitachi Insight Groupの米国ジェネラルマネージャのKevin Eggleston氏は語った。

(ReadWrite Japan編集部)

ReadWrite Japan編集部
[原文]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
転載元はこちらをご覧ください。

連載バックナンバー

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています