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Red Hat Enterprise Linux 5
簡単!Red Hat Enterprise Linux 5インストールガイド

第2回:仮想化やパッケージを選択する

著者:日本ヒューレット・パッカード  古賀 政純   2007/6/11
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ソフトウェアパッケージの選択

   ソフトウェアパッケージの選択をさらに詳細に行います。サーバ用途に関係ないものはインストールしないようにして、目的の用途に合うものだけを入れるようにします。インストールすべきパッケージは導入者が作成したシステム導入設計書に記述されているはずなので、その設計書に従ってパッケージを選択します。以下の7項目についてパッケージを選択します。
ソフトウェアパッケージ パッケージの内容
デスクトップ環境 GNOME/KDE等のデスクトップ環境に関連するパッケージ
アプリケーション エディタやインターネット接続のためのアプリケーションなど
開発 開発者向けのヘッダファイルやライブラリ、コンパイラなど
サーバ 様々なネットワークサービス群
ベースシステム OSのコアコンポーネント
仮想化 Xenを使った仮想化環境構築のためのコンポーネント
言語 OSレイヤでの多言語サポートの選択肢を提供

表1:ソフトウェアパッケージ

   デスクトップのパッケージではGNOMEやKDEを選択できます。サーバ管理者が利用しやすいものを選択すればよいですが、サーバにインストールするサードパーティ製のアプリケーションの動作条件に合うようにしてください。GNOMEとKDEの両方選択することも可能です。

デスクトップのパッケージではGNOMEやKDEが選択可能
図8:デスクトップのパッケージではGNOMEやKDEが選択可能
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   アプリケーションでは、エディタやグラフィカルインターネットなど必要なものを選択しておきます。サーバ用途であれば「Office/生産性」などは選択しなくてもかまいません。またサーバ用途で不要な「ゲームと娯楽」などもインストールしません。

アプリケーションパッケージの選択
図9:アプリケーションパッケージの選択
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   開発ツールはインストールしておきます。ベンダーが提供するドライバ群は、カーネルソースツリーやヘッダファイル、ライブラリを利用しているものも少なくありません。さらに「レガシーなソフトウェアの開発」もインストールしておきます。

   この「レガシーなソフトウェアの開発」には以前のバージョンと互換性を持たせるための開発ライブラリ「compat-glibcやcompat-gcc-34コンパイラ」が含まれており、ベンダー提供のドライバには、この下位互換性のためのパッケージを利用するものも少なくありません。

開発パッケージの選択
図10:開発パッケージの選択
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   サーバの利用形態に合わせてインストールすべきものを選択します。サーバ設定ツールはインストールしておきます。Webサーバやメールサーバ、Windowsファイルサーバなども利用形態を考慮して選択します。「レガシーなネットワークサーバ」に関しては慎重に導入を検討して下さい。

サーバ設定ツールなどの選択
図11:サーバ設定ツールなどの選択
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   レガシーなネットワークサービスには、rshやtelnetなどのパスワード文字列がLAN経路上を暗号化されずに伝送される通信ソフトウェアが含まれています。そのため、これらのサービスを利用すると、セキュリティ的に脆弱性が高まります。したがって、システム要件上必要ないと判断できる場合は「レガシーなネットワークサーバ」に含まれるパッケージは極力利用しないようにしてください。

   ベースシステムでは、Javaや管理ツールなどサーバ管理に必要なコンポーネントが含まれていますので、適宜選択するようにします。管理サーバなどのGUIツールを利用する環境では「X Window System」を選択します。ブレードサーバなどのヘッドレス運用対象のサーバはX Windows Systemを選択する必要はありません。システムツール、ベース、管理ツール、レガシーなソフトウェアのサポートなどをインストールしておきます。

ベースシステムの選択
図12:ベースシステムの選択
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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日本ヒューレット・パッカード株式会社 古賀 政純
著者プロフィール
日本ヒューレット・パッカード株式会社
古賀 政純

2000年よりUNIXベースのHAクラスタシステム及び、科学技術計算システムのプリセールスに従事。並列計算プログラミング講習会などを実施。その後、大手製造業及び官公庁系の大規模Linuxクラスタの導入、システムインテグレーションを経験。現在は、大規模エンタープライズ環境向けのLinuxブレードサーバ及びHP Serviceguard for Linux(HAクラスタソフトウェア)のプリセールスサポート、システム検証を担当している。毎日、Linuxサーバと寝食を共に(?)しています。


INDEX
第2回:仮想化やパッケージを選択する
  ネットワークの設定を行う
ソフトウェアパッケージの選択
  仮想化の利用を設定する