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small talk on security

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第1回:TOMOYO LinuxがPacSec2007に出会った

著者:NTTデータ 原田 季栄

公開日:2007/12/12(水)

ライトニングトーク(あるいは「vi男祭り」)

すべての講演の終了後、日本のオープンソース系のイベントでもおなじみのライトニングトークがありました。

何件かの発表がありましたが、筆者とDojoの先生であるAndrea Barisani、そしてOpenBSDのカーネルハッカーとして知られるRyan McBrideの3名が壇上に引っ張り出されて「公開質問タイム」に参加させられ(笑)ました。これは、参加者が自由に質問をして、回答者が「必ず一言だけで」答えるというゲームです。

どんな質問がでるかな?と思いましたが、「"vi" or "emacs"?(エディタのviとemacsのどちらが好きか?)」というユニークな質問がありました。

最初に私が「vi, definitely. ed is OK, too(そりゃあviでしょう。edもよいですね)」と答えると、たまたま他の2人もvi派だったようで、「vi」という回答が続きました。

3人目が回答したところでなんとなく3人で右手を挙げて「vi!」と叫んだところ、聞き手の中にも賛同者がいたようで「vi!」と叫んだり、手を挙げたりする人がいたりしました。期せずして「青山でvi男祭り」的な状態になりました。忘れられないよい思い出です。

パーティやお弁当がお楽しみ

会議の初日の夜に会場で立食形式のパーティが開催されました。会議そのものとは関係ないかもしれませんが、移動しないで参加できるというのは、その分会議に専念できますし、遠方からきている参加者にとってはとても便利です。

便利といえば、会議では昼食についても仕出しがあり、自分の座席でお弁当を食べることができました。しかも、そのお弁当がとてもおいしいのです!

パーティも会議同様、あるいはそれ以上に大変楽しいものでした。本当に「身内(ファミリー)」の集まりという感じです。会場に潜入し、取材されていた「セキュリティホールmemo」の小島氏を発見したので、久々にお話をして記念撮影しました。このときの「memo」の記事は、以下のURLからみることができます。


しかし、ここだけの話ですが小島氏は実際にはPacSecの取材ではなく「11月のワンポイントセキュリティ」の萌え声の中の人に会いに行っていたのではないかという疑惑が浮上しています(笑)。

PacSecを支えるスタッフ

PacSec2007では、前述のようにすべての講演資料について、日本語版と英語版が用意されていました。実は、その翻訳を行ったのはPacSecの日本スタッフの方々であったことがわかりました。

PacSecの顔であるDragosは、2日目のはじまりとクロージングの挨拶で「Tomoyukiはじめ何人かのスタッフが昨夜睡眠もとらず翻訳作業を行ってくれた。彼らは今回の会議のヒーローだ」として、その労をねぎらい、参加者からは大きな拍手がわき起こりました。

それぞれの分野の専門家が書いた講演資料を短い時間で翻訳するのは大変な作業だと思います。イベントを陰で支えている方々の苦労に頭が下がる思いがしました。PacSecの参加料金は他の同種のイベントと比較すると高額ですが、実は海外から招いたスピーカーの渡航および滞在費用などはPacSec側が負担しています。

素晴らしいセミナー環境と同時通訳を含めたサービス、またここでしか聞けない内容を考えると決して高いものではありません。是非来年はより多くの方々が参加いただければ、そう思います。

PacSecスタッフからのメッセージ

今回記事を執筆するにあたり、PacSecの運営を担当されておりイベントのスポンサーでもある住商情報システムの赤澤氏と高橋氏に内容の確認をお願い致しました。お2人よりこの記事を読んだ方へのメッセージをいただいたので紹介します。

「日本と海外のセキュリティエンジニアが情報交換できる場を提供したいというDragos Ruiu氏の意向によってはじまったPacSecですが、今年は特に日本と海外のセキュリティエキスパート同士の出会いがあったと感じています。来年もより情報交換しやすい場を提供できるよう、頑張っていきたいと思います」

最後に、高橋氏経由でPacSecというイベントの生みの親であり文字通り顔であるDragos氏からも直接日本の読者にメッセージをいただきました。

Dragos氏は、尾田栄一郎氏の人気コミック「ONE PIECE」のキャラクター、サンジに似ていて、なかなかのイケメンです。今回が初対面だったのですが、Dragos氏は常にマイクやプロジェクタのセッティングの調整、司会など細かく作業されており、私は最初それが会議の主催者であるDragos氏だとは気づきませんでした。

そんなDragos氏の愛すべきキャラクターもPacSecの一部ではないかと思います。余談が長くなってしまいましたが、Dragos氏からのメッセージでこの報告記を終えます。では来年、PacSecでお会いしましょう!


I was particularly pleased with the talks this year.
I don't think there were any real duds... (and usually one kinda sucks)
so that was pretty rare. I'm very thankful to all the people who helped put it on,
and I hope I'll see many of you next year.

cheers,
--dr

いやぁ、今年の発表は「ひっじょーに」よかったよ。
今回は、「ハズレ」の発表とか、よく見かける「おぇっ」とかいう発表はなかった。
こんなことは滅多にないよ。
手伝ってくれたすべてのメンバーに感謝している。
また、来年みんなと会えるといいな。

じゃ、そういうことで。
-同羅合酢(どらごす)


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株式会社NTTデータ 原田 季栄
著者プロフィール
株式会社NTTデータ 原田 季栄
北海道室蘭市生まれ。1985年北海道大学工学部応用物理学科卒。同年NTT(横須賀研究センター)入社。現在の所属は、株式会社NTTデータ技術開発本部。2003年よりオープンソースの研究開発に取り組む。「使いこなせて安全」を目指すTOMOYO Linuxプロジェクトのマネージャ。
haradats@nttdata.co.jp


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  PacSec2007に参加して〜はじめに
  TOMOYO Linuxの講演
ライトニングトーク(あるいは「vi男祭り」)