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リッチクライアントCurlの特徴と導入実態
第４回：Curlの適用事例（前編）
著者：
セントラル・コンピュータ・サービス 松永 俊思
2005/6/7
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操作性向上に特徴のある適用事例
三井石油株式会社は全国400ヶ所以上の系列給油所（SS）を通じてガソリン・軽油・灯油などの販売をおこなっており、一般産業向けには重油などの燃料油の販売もおこなっている石油元売企業です。同社は2002年にHTMLベースの取引先系列ＳＳ向けの「Web販売速報システム」を稼動させ、SS向けのサービスの強化をはかりました。
近年ではセルフ給油型サービスの登場やSSの販売動態が変化し、販売競争が厳しさを増してきたため直営販社のＳＳを対象とした「Web販売速報システム」を新たに構築しなおすことになりました。SSを取り巻く環境の動向把握と素早い対応をおこなうことが目的でした。
すでにHTMLベースの「Web販売速報システム」が稼動しているため、システムの拡張か、新たな技術基盤を適用したシステムを構築するか、2パターンの選択肢がありました。結局、システムを構築するに当たって以下の表3の要件を満たすことが選択基準になり、Curlを適用したシステムが導入されることになりました。
シンプルな操作画面の提供（簡単で、早く、同じ目線で情報の選択・把握が可能であること）
マスター整備と合わせて、情報参照単位を変えながら照会ができること
コスト要件（従来システムの機能拡張は複雑に遷移した構造となっており、Curlのように画面数を集約できる構成が開発コストとして優位）
表3：Web販売速報システムに求められた要件
新しいシステムではメニュー画面、明細表示画面、グラフ表示画面の3つの画面の開発をおこないました。開発期間は2004年7月下旬から9月までの約2ヵ月で、要件定義工程から設計・開発・テストをおこなって10月にリリースしました。
では、実際の画面を見ながらCurlを使ってどのようなシステムを開発したのかを紹介します。
各種マスターデータの保有によるリアルタイム絞り込み
従来のHTMLインターフェイスではサーバとの通信を何度も繰り返す必要がありました。しかしCurlを適用したシステムではクライアント側で各種マスターデータを保有しているため、マウス操作による順次クリックが可能となりました。このことからサーバとの通信が最初の一度だけで、リアルタイムの絞り込みがおこなえるようになり、操作性が大幅に向上しました（図1）。
図1：項目の絞り込み
（画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します）
パーシスタントデータ化された抽出条件によるワンオペレーション
絞り込みしたい項目がパーシスタントデータ化（クライアント保持）されることで、次回からの操作は「SS合計表示」、「SS平均表示」などのボタンを押すだけでデータの照会ができるようになります。選択照会する情報には類似性・継続性があるため、データ更新した際でも表示ボタンを押すだけの操作で照会が可能です。
販売データ内容の即時切替、比較、グラフ表示
図1の画面で照会対象のSSを決定してサーバから最新の速報データを取得しています。取得したデータはクライアント側で保持されているため、図2の「数量情報」、「粗利情報」などのタブメニューやドロップダウンリストなどの各種操作が、サーバとの通信なく瞬時におこなえるようになっています。
図2：画面の切り替え
（画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します）
また、クライアント側にデータを保持し、差分データのみのダウンロードをすることでダウンロードなどの処理時間の短縮をはかっています。
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著者プロフィール
セントラル・コンピュータ・サービス株式会社 松永 俊思
メインフレーム、クライアントサーバ、Webシステムと基幹系から情報系アプリケーションシステム開発を実施。また、開発支援パッケージとして「MagicAnswer for Notes」（NotesDomino設計要素解析ツール）の製品監修を担当。2002年より営業に転じ、企業の情報システム課題に対する提案を進めている。Curlは次世代アプリケーション像として、2004年より取り扱う。問い合わせE-mail：
curlsales@ccs.co.jp
INDEX
第4回：Curlの適用事例（前編）
Curlの発展
操作性向上に特徴のある適用事例
ERPパッケージ ProActive E2（住商情報システム株式会社）
情報把握・表現向上に特徴のあるCurl適用事例
