優勝者に嬉しいサプライズが!?Hadoopコース表彰式レポート

クラウド上にインストールしたソフトウェアのチューニングを競う大会、「Tuning Maniax 2014」の全競技日程が終了しました。現在、WordPressコース 2ndステージの結果発表を残すのみとなりましたが、その前に、先日開催された日本マイクロソフト主催のイベント「de:code」の会場で一足早く行われた、Hadoopコースの表彰式を紹介します。
大量データの解析を競うHadoopコースの勝者が決定
Tuning Maniax 2014は、クラウドプラットフォームであるMicrosoft Azure上にインストールしたオープンソース・ソフトウェア(OSS)のチューニングを競う大会として、今年4月から6月までの期間で開催。CMSのチューニングを行う「WordPressコース」と、データ解析を行う「Hadoopコース」の2つが設けられました。
今回表彰式が行われたHadoopコースでは、Azure上で動くHadoopのディストリビューションである「HDInsight」を使って、Webサイトログを模して作られた約1TBのデータを参加者が解析。事務局の用意した3つの設問への回答と、いかに速く解析を終えられるかを競う内容になります。
表彰式はde:codeが開催されたザ・プリンス パークタワー東京に併設された、Ventures Meetup会場内で行われました。日本マイクロソフトのMicrosoft Ventures Tokyo代表を務める砂金信一郎氏の挨拶に続いて、イベントを裏で支えていただいた日本マイクロソフトの佐々木邦暢氏によるHadoopの解説が行われました。
日本マイクロソフト佐々木氏によるHDInsight紹介
佐々木氏による解説では、マイクロソフトが近年オープンソースに対して積極的な取り組みを行っていることや、米Hortonworks社と協業し、同社のHadoopディストリビューションをクラウド(Microsoft Azure)上で簡単に動かせるようにしたHDInsightが紹介されました。
佐々木氏によれば、HadoopどころかAzureにすらあまり触れたことがない参加者が多かった今大会では、初心者にも比較的簡単に扱えるHDInsightを活用して、比較的スムーズに解析が行われていたようです。他にも、Apache Hadoopのメインプログラムや、便利に使うための関連プロジェクト、ビッグデータ解析をSQLライクな言語で簡単に行うためのHiveが紹介されました。
その後、実際にHDInsightでビッグデータを解析するデモが紹介されました。佐々木氏は「実際の分析はあまりドラマティックな展開にはならない」と苦笑しながらも、解析中の画面を表示しながら大会で使用したデモデータの内容や、アクセスランキングや表示に時間のかかったランキングをどうやって分析するかなどについて説明しました。
いよいよ表彰式、優勝者に贈られるのはSurface Pro 2、のはずが…!?
佐々木氏によるHadoop解説に続いて、いよいよ表彰式です。特別賞を受賞した福重美香さんには「高級レストランお食事券1万円分」、準優勝の工藤淳さんには「PFU Happy Hacking Keyboard Professional2」が、Think IT編集部の鈴木デスクより贈られました。
Hadoopコースの頂点に輝き、見事優勝した中村良幸さんには「Microsoft Surface Pro 2」と大きく書かれた優勝パネルが手渡されました。さらに、中村さんには今回の会場となったde:code(10万円相当)への招待もされています。
賞品が贈呈され、順調に式が終わるかと思われたその時、会場にいた砂金氏が「中村さん、(Surface Pro)2でいいんですか?」と壇上の中村さんに駆けより、ボードに書かれた「2」の部分をマジックで「3」に書き換えてしまいました。なんと最新のSurface Pro 3が贈られるようです。中村さんには嬉しいサプライズとなり、会場からも大きな拍手が湧き上がりました。
トレジャーデータ中川氏を迎えて行われたパネルディスカッション
表彰式に続き、ここで特別ゲストとして米トレジャーデータのシニアソフトウェアエンジニアである中川真宏氏が登場。最近では身近になってきたビッグデータですが、多ノードの扱いやジョブ、タスクに対する理解など、やはり解析には優秀なエンジニアが必要だったため、クラウドで手軽にビッグデータ解析が出来る仕組みを提供したいという思いからトレジャーデータが生まれたと、会社設立の経緯が紹介されました。
トレジャーデータで行っている取り組みとして、全てのジョブでキュー(queue)を使うことで、各システムのノードを疎結合に保つようにしていることや、標準のHadoopを改良してハイパフォーマンスなクエリの結果を返すことが出来るようにしていることなどが紹介されました。
中川氏によるトレジャーデータの取り組みが紹介された後、受賞者の3名と、冒頭でHadoopの解説を行った佐々木氏が加わり、5名によるパネルディスカッションが行われました。
ディスカッションでは、データ解析で苦労した点を受賞者が話し、佐々木氏と中川氏がHadoop(HDInsight)を使いこなすためのポイントを紹介しながら進行していき、短い時間ながら濃い内容になりました。
特に優勝した中村さんは話題の引き出しが非常に多く、佐々木さんが途中で他の人に話題を切り替えようとする場面で笑いが起こたり、禁断の話題(?)である好きなエディタなどの話題も飛び出すなど、終始楽しい雰囲気のまま進みました。
多くの観覧者に見守られる中、無事にHadoopコースの表彰式が終わり、次はいよいよWordPressコースの番です。来週の結果発表をお楽しみに!
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