イーサネットネットワークでのデータ送信

2014年12月8日(月)
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物理層の規格は大きく異なるものの、イーサネット規格の他の部分は、物理的なイーサネットリンクの種類にかかわらず、同じように動作します。ここでは、リンクの種類を問わずイーサネットが使用するさまざまなプロトコルとルールを説明します。具体的には、イーサネットのデータリンク層のプロトコルの詳細と、イーサネットノード、スイッチ、ハブがイーサネットLAN経由でイーサネットフレームを転送する方法について見ていきます。

イーサネットのデータリンクプロトコル

イーサネットのプロトコルファミリの最大の利点は、それらのプロトコルが同じデータリンク規格を使用することです。実際には、データリンク規格の中核部分は初期のイーサネット規格にさかのぼります。

イーサネットのデータリンクプロトコルは、イーサネットフレームを定義しています。イーサネットフレームは、先頭のイーサネットヘッダーと、中央のカプセル化されたデータ、末尾のイーサネットトレーラで構成されます。実際には、ヘッダーのフォーマットが何種類か定義されており、現時点では、図1に示すフレームフォーマットが最もよく使用されています。

一般的に使用されているイーサネットフレームフォーマット

図1:一般的に使用されているイーサネットフレームフォーマット

フレームを構成するフィールドはどれも重要ですが、本書で説明する内容にとってより重要なものがいくつかあります。表1は、ヘッダーおよびトレーラ内のフィールドと、それらの簡単な説明をまとめたものです。ここでは、いくつかのフィールドをさらに詳しく見ていきます。

表1:IEEE 802.3イーサネットのヘッダーおよびトレーラのフィールド

フィールドフィールドの
バイト長
説明
プリアンブル7同期
SFD(Start Frame Delimiter)1次のバイトから宛先MACアドレスフィールドが始まることを示す
宛先MACアドレス6このフレームの受信アドレスとして想定されているものを示す
送信元MACアドレス6このフレームの送信元を示す
タイプ2フレームに使用されるプロトコルの種類を定義する。現時点では、主にIPv4またはIPv6が指定される
データとパディング46〜1,500上位層のデータとして一般にL3PDU(通常はIPv4またはIPv6パケット)を含んでいる。このフィールドに最低限必要な長さ(46バイト)になるよう、送信元がパディングを追加する
FCS(Frame Check Sequence)4受信側のNICがフレームで送信エラーが発生したかどうかを判断するための手段を提供する

※ IEEE 802.3仕様では、802.3フレームのデータ部分は最小46バイト、最大1,500バイトに制限されている。MTU(Maximum Transmission Unit)は、メディアを通じて送信可能なレイヤ3パケットの最大サイズを定義する。レイヤ3パケットはイーサネットフレームのデータ部分に含まれるため、1,500バイトはイーサネットで許可されるIP MTUの最大値である。

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