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JBoss jBPMを試そう!

JBoss jBPMを試そう!

第1回:JavaエンジニアのためのBPMツールとは?

著者:レッドハット 三木 雄平

公開日:2008/1/24(木)

GUIで業務プロセスを定義し、簡単に検証したい

業務プロセスの定義は、業務に詳しい方(ビジネスパーソン)がプログラミングのスキルを持っていないことが多く、技術者がヒアリングして定義しています。しかし本来業務プロセスは業務に詳しい方が定義すべきです。そこで直感的な操作が可能なツールが必須となります。

jBPMではjBPMグラフィカルプロセスデザイナと呼ばれるプロセス定義を容易に行うためのグラフィカルツールが用意されています。これはEclipseプラグインとして提供されており、プログラミングスキルがなくても直感的な操作で業務プロセスの定義が可能です。そのためビジネスパーソンのワークフロー定義ツールとして使用できます。もちろん開発者も利用可能です。

定義されたプロセスはjPDL(jBPM Process Definition Languarge)と呼ばれるフロー記述言語でプレーンなXMLファイルとして定義されます。そのためEmacsやviといったエディタで開発することを望まれる開発者の方は直接XMLファイルを編集してもよいでしょう。

またjBPMには定義した業務プロセスを検証するためのツール「jBPMコンソール」が用意されています。jBPMコンソールはWebアプリケーション(.war)として提供されているため利用するにはWebコンテナが必須となります。このjBPMコンソールを利用することで、jBPMにデプロイしたプロセス定義をすぐに実行することが可能です。。また、jBPMコンソールは実行プロセスの操作、管理および監視するための管理コンソールとして利用することもできます。

図2:jPDLプロセス定義ファイル
図2:jPDLプロセス定義ファイル
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

jBPMを利用した開発

開発者の皆様はやはり実際にソースコードをみるのが一番理解しやすいでしょう。プログラムについて説明する前に、意識合わせとして「プロセス定義」「プロセスインスタンス」「トークン」について解説します。

プロセス定義とは実際のビジネスプロセスを形式的にあらわしたものです。必ず1つの開始状態を持ち、ノードと遷移で構成されます。すべてのノードは実行時の振る舞いを定義した特定のタイプを持っています。プロセスインスタンスとは、プロセス定義の実行状態のことです。プロセスインスタンスが生成される際に同時に、開始状態に位置するトークンを生成します。つまり、このトークンとはプロセスの遷移を表現するポインタとなります。

ここではわかりやすいように図2のような、開始、s状態という名前のstateノード、終了だけで構成されたプロセス定義を実行するだけの極めてシンプルなJavaプログラムをみることにします。

では早速プログラムを見てみましょう。 次のページ


レッドハット株式会社 三木 雄平
著者プロフィール
レッドハット株式会社  三木 雄平
JBossグループ ソリューション・アーキテクト
株式会社SRAを経て、2002年に日本BEAシステムズ入社。カスタマーサポートチームにて、アプリケーションサーバおよびJava VM(JRockit)のサポートを担当。その後、プリセールスチームにてSIP Servlet関連の製品に携わる。2007年よりレッドハット JBossグループにてプリセールスを担当。
音楽(聴く&演奏)大好き。最近はJazzyなベースとリズムに魅了されてます。


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第1回:JavaエンジニアのためのBPMツールとは?
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GUIで業務プロセスを定義し、簡単に検証したい
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