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「画面編」以外はどうなるのか さて「第1回:開発者ガイドラインとはなんだ?」でも述べたように、発注者ビューガイドラインには現在公開されている「画面編」のほか、今後「システム振舞い編(仮称)」「データモデル編(仮称)」の策定が進められている。これらについてもA氏とB氏に話を聞いている。 プロジェクトマネージャのA氏は「名前だけではわからない。画面編とはまた別のアプローチになるだろう」としながらも、次のように語ってくれた。 「画面編だけでなく、システム振舞い編やデータモデル編もVer1.0が1.0で終わらず、バージョンアップされ続けることを期待している。さらにいえば、『〜の○○編』といったような、用途別なものが出てくるとよいと思う。今後に期待する」 プログラマのB氏は「ガイドラインという段階で終わらず、これをテキストとした開発ドキュメント作法のような講座があるとよいと思う」としながら、次のような不安もあるという。 「ただし、このような講座そのものが広まってしまうと、『技術力さえあれば、どこに発注しても同じ』と発注者側に思われるのではないだろうか。公開されている発注者ビューガイドラインを学んでも、そうと発注者側に思われないようにすることになるのなら、知らないまま自社の方向性をベースにドキュメントを作成したほうがよいのではないだろうか」とのことだ。 ![]() 図3:画面編以外の2編への興味は 発注者ビューガイドラインは使われていくのか 最後にの質問として「これから、発注者ビューガイドラインは利用されていくのか」という点について聞いてみた。 プロジェクトマネージャのA氏は「使われていく可能性はあると思うが『広く利用される』かどうかは、このままの状態では難しいのではないだろうか。より体系化が進めば、プログラマやプロジェクトマネージャの基礎スキルとして重要視されるようになるかもしれない。 一方で、この取り組みが進むことで『ガイドラインロック』が起こるかもしれない。『発注者ビューガイドラインに準拠していないドキュメントは受け付けない』という企業がでてきた場合、どうしていくべきくかの答えはまだもっていない」と述べ、「この試み自体は評価できるが」と言葉を濁した。 これに対してプログラマのB氏は、「このガイドラインを知っていれば、ドキュメントを書くのは楽になりますね」という感想を漏らした。実はこの点がA氏が前のページで懸念事項としてあげたポイントなのだろう。 開発者ビューガイドラインそのものは「第2回:知っていてこそのガイドライン」でも解説したように、非常によくまとめられ、参考になる内容となっている。 しかし現場の声としては、「有効」と思う反面で、その有効性に頼り切る危険性を秘めているのかもしれない。 |
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