CodeGearでコードフリークになろう!
アプリケーションはやっぱりコーディングが命だと考えるあなたへ
著者:シンクイット編集部
公開日:2008/03/26(水)
CodeGear〜3つの選択肢〜
この記事を読まれている開発者の方々は「CodeGear」というブランドをすでにご存知のことと思う。CodeGearについて簡単に解説しておくと、さまざまな開発ツールをはじめ、プログラミングの分野で多くの貢献を果たしてきたボーランドが2006年11月にスタートさせた開発ツールの新ブランド名である。
2006年の12月にはアメリカで、そして2007年の5月には日本でもCodeGearのWebサイトがスタートし、各種ツールはもちろん、開発者へ情報を提供している。
今回取り上げるのは、CodeGearブランドがスタートした前後のタイミングで市場に投入された「Delphi 2007 for Win 32」と「C++Builder」そして「RAD Studio 2007」の3つのツールだ。
Delphi 2007 for Win32そしてC++Builderは、その名の通りDelphiとC++を使った開発を行うためのビジュアル開発環境だ。またRAD Studio 2007は、このDelphiとC++に加え、.NETにも対応した開発ツールである。
CodeGearのマーケティングディレクターの藤井 等氏によると「CodeGearの主要製品ラインであるこれらのツールを、既存のお客様、新規のお客様にご利用いただくべく、体制作りを進め、継続的な活動を行っている」とのことだ。
その活動の一環として、CodeGearではユーザのコミュニケーション環境づくりに取り組んでいる。例えば、四半期に一度行う「デベロッパーキャンプ」の開催をはじめとして、ニュースグループや開発者ブログ「CODEGEAR INSIDE」、そしてコミュニケーションサイト「CodeGear Developper Network」の公開などである。
ところで、藤井氏によると、Windows開発では、まだまだネイティブ開発の需要が多くあり、実際、開発するアプリケーションによって、ツール選択の指針は異なるという。そこで本記事では、Delphi 2007 for Win 32とC++Builder、RAD Studio 2007の3製品に着目し、それぞれのメリットと選択のポイントについて解説していく。
図1:Delphi 2007 for Win32の開発画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
Delphi 2007 for Win32〜入門から便利ツールの開発まで〜
「Delphi」と聞いてまず思い浮かべるものはなんだろうか。多くのプログラマは「簡単にアプリケーション開発ができる」「ユーザインターフェース作成が簡単」「入門者向け」などのイメージを持っているかもしれない。
これらのイメージは間違っていないものの、実はDelphiにはそれ以上のメリットがある。
DelphiはWindows 3.1や同95、つまりWindowsプラットフォームが世の中に普及しはじめた時代に誕生した。これはクライアントサーバ型システムが標準的となった時代に重なり、Delphiはそのクライアント側のアプリケーション開発に広く利用されてきた。
クライアントアプリケーション開発では、「使いやすいユーザインターフェース」が開発できる点が重要となる。さらにデータベースや他のシステムと連携する必要もある。このためDelphiには、あらかじめ主要なリレーショナルデータベースとの高い連携を行うためのデータアクセス機能、ユーザインターフェース機能が装備されている。
その一例が、実際のデータベースに接続しながらユーザインターフェースを構築できるビジュアル開発機能である。この機能を利用すれば、データベース上のデータを処理するアプリケーションを、簡単なものならコードを1行も記述することなく開発できる。
こちらのビデオをご覧いただければ、Delphiのデータベース開発がいかに簡単かをイメージできるだろう。
実際にDelphiを使って開発されたリッチなアプリケーションは、最近では『Skype』などが有名だ。藤井氏に聞いてみた。
「Delphiにはネットワークに関するさまざまなコンポーネントがありますし、さらに独自のプロトコルを活用するような柔軟性も備えています」
この例からも「Delphiは単なる初心者向けの開発環境である」というイメージを払拭できるのではないだろうか。 次のページ