CodeGearでコードフリークになろう!
アプリケーションはやっぱりコーディングが命だと考えるあなたへ
著者:シンクイット編集部
公開日:2008/03/26(水)
「Delphi」+「C++」+「.NET」
これまで、Delphi 2007 for Win32とC++Builderが持つそれぞれのメリットについて紹介してきた。本記事の最後に、DelphiとC++Builderに加えて、Webアプリケーション開発を中心に利用されている.NET対応環境が用意されている「RAD Studio 2007」を紹介したい。
現在、エンタープライズやWebアプリケーション分野で.NETが利用される機会が増えてきている。これは「言語はそれ1つで完結するのではなく、お互いが連携し、コラボレーションしていく形態へと変貌しつつある」という時代が訪れていることを意味する。
この状況下で、従来のDelphiやC++のユーザの多くも同様に、これまでに作成したプログラムと.NETを連携させ、価値を高めていく必要性を感じていることと思う。それを実現するのがRAD Studio 2007である。
RAD Studio 2007では、「VCL for .NET」と呼ばれるWin32と互換性を備えたコンポーネントライブラリを搭載し、Delphi for Win32とソースコード互換性の高い.NETアプリケーションを開発できる。また、ASP.NET Webアプリケーション開発機能も搭載している。さらに特徴的なのは、ECO(Enterprise Core Objects)と呼ばれるUMLを活用したモデルドリブン開発機能だ。この機能を用いれば、.NETフレームワーク上でデータベースアプリケーションをビジュアルに開発できる。O/Rマッピングやデータの永続化も自動化されており、モデルの操作だけで簡単にアプリケーション設計から実装までを変更できる。
実際にRAD Studio 2007を活用して作られたWebアプリケーションとして、藤井氏はCodeGearのサイトで使われている投稿機能「GetPublished」をあげる。「このサービスはユーザの需要に対してさまざまな機能強化を繰り返していますが、その変更はRAD Studio 2007のECOのモデルドリブン開発機能を活用しています」とのことだ。
図3:藤井氏より、これから挑戦される方へのメッセージ
ステップアップか1点集中か
では「Delphi 2007 for Win32」と「C++Builder」「RAD Studio 2007」の3つのツールのから、今自分が必要なものをどのようにして選択すればよいのだろうか。
本記事のしめくくりとして、藤井氏から「3つのツールから選択するためのポイント」について解説していただこう。
「まだプログラミングの経験がない人であれば、入門として『Delphi 2007 for Win32』をお勧めします。まずはプログラミングの基本の学習、その後も自分の作業をサポートするツールを作るプラットフォームとして長くお付き合いいただけると考えています。
特に軽いツールを作る場合には、画面周りに時間をかけるのは非常に無駄であり、もったいない作業です。それよりも『処理そのもの』に集中した開発を短時間で行いたいという場合にDelphiは力を発揮します。
そしてマシンパワーを最大限に活用したいというユーザであれば、C++Builderをお勧めします。C++Builderなら、C++の持つ広いライブラリ資産を活用できるとともに、コードによってアプリケーション性能を最大限コントロールできます。その一方で、面倒なGUIのコーディングをサポートしてくれる点から、非常に便利であるといえるでしょう。
またDelphiにあるさまざまなコンポーネントは、C++Builderでもオブジェクトとしてすべてが存在しています。つまりDelphi 2007 for Win32でプログラミングを学んだ人なら、オブジェクト指向の考え方やコンポーネントの活用まで、スムーズに移行することができるでしょう。
そして、この2つの言語に加えて.NETも利用したい、というユーザであれば迷わず『RAD Studio 2007』を選択すればよいでしょう。
Delphi 2007 for Win32とC++Builder、そしてRAD Studio 2007は「プログラミングを楽しく」、これが実現できるツールです。これまでに非常に長い歴史を持ち、多くの人たちに使っていただいています。最新バージョンではWindows Vistaにも対応しましたので、ぜひ一度その開発環境に触れ、さまざまな魅力を体験してください」
本記事のしめくくりとして、藤井氏よりいただいたメッセージを掲載する。
本記事で紹介した各ツールはCodeGearのダウンロードサイトからトライアル版をダウンロードできる。まずは利用して、その魅力を実感してもらいたい。