HUBとは
HUBとは簡単に言ってしまうと、ネットワークの集線機器である。複数台のPCを利用している場合やインターネットの常時接続などの条件を考慮した場合に用いられる機器である。基本的には受信したデータ(電気信号)を復元・増幅して、他のポートに流すだけである。データ(電気信号)は、伝送中に減衰し、その波形に歪みなどが発生する。そのデータ(電気信号)の品質を保つために、復元・増幅を行っている。
一般的には、直接PCをネットワークにつなぐのではなく、HUBを経由してつなぐことが多い。これは、HUBが非常に安価で、入手しやすいからである。
HUBは、電気信号の再中継を行うための機器と言え、リピーターとも呼ばれる。異なるネットワーク同士を結ぶために使う。その性格上、すべての入ってくる電気信号をそのまま返すため、ネットワークの負荷が高くなる。このような問題を解決するために、ブリッジ(レイヤー2スイッチ:スイッチングハブ)が登場した。ブリッジは転送されたデータを流すか、止めるかを設定できる。余分なデータを流さない分、ネットワークの負荷は低減できるのである。
冒頭でも述べたように、当初レイヤー2スイッチは高価であったが、近年では低価格化が進み、入手しやすくなっている。そのため、ネットワークの集線機器として、HUBの代わりにスイッチを用いるケースも増えている。
改めてスイッチについて学ぶ
ここまで、非常に簡単にスイッチについて解説してきた。しかし、スイッチの深さはここからはじまる。本連載の第2回以降では、ネットワーク機器では定評のあるアライドテレシスの方にご登場いただき、奥深いスイッチの技術について解説しいく。
第2回では、スイッチの働きについてさらに掘り下げて解説していく。実際のスイッチの写真を見ながら、スイッチの技術について触れていただきたい。また、スイッチの理解を深めるため、より詳しくスイッチとHUBの技術の違いについて見ていく。
近年、高性能化するレイヤー3スイッチは、ルータに比べ安価で入手しやすいため、ルータの代わりとして利用されるケースもある。そこで第3回ではレイヤー3スイッチとルーティングに焦点をあてていく。機器としてのレイヤー3スイッチの技術について解説しつつ、そのルーティング機能について紹介する。また、レイヤー3スイッチは、非常に広い用途に使われており、現在のスイッチについて再認識していく。
現在の企業におけるネットワーク構成は複雑化の傾向にあり、設計や運用を行うエンジニアの負荷が高まっている。実は、そのような負荷を軽減するために生まれた最新のスイッチもある。そこで最終回の第4回では、それら最新のスイッチについて紹介しつつ、今後のスイッチの動向についてまとめていく。
第2回、3月11日(火)の公開を楽しみにしていただきたい。 タイトルへ戻る