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【ネットワーク教習所】いまさら聞けないスイッチ

【ネットワーク教習所】いまさら聞けないスイッチ

第1回:どれだけ知ってますかスイッチのこと

著者:シンクイット編集部

公開日:2008/03/04(火)

なぜスイッチなのか

2008年3月の特集「ネットワーク教習所」の火曜日ではスイッチを取り上げる。ではなぜ、スイッチを取り上げるのだろうか。

現在、一般的にネットワーク機器として、HUBやスイッチ、ルータなどがある。HUBは安価で入手しやすいため、さまざまなところで利用されている。以前スイッチは多少高価であったが、近年では低価格化が進み、その利用が増えている。自宅のネットワークにもHUBではなくスイッチを利用している人も増えている。また、その機能も高性能化してきており、ルータの代用として利用されることもある。

また、スイッチは負荷分散などにも利用されている。これまで負荷分散はソフトウェアで行っていた。しかし、その処理にも限界がある。それをハードウェア、つまりスイッチによって行うことで、ソフトウェアによる処理の限界を解決しているのである。

このようにスイッチは着実に浸透してきており、現在のネットワークインフラには欠かせない機器となっている。しかし、実際のその技術的部分については、読者の皆さんはどれほどご存知であろうか。

スイッチの外観はHUBと似ており、パッと見は区別することが難しい。しかし、HUBとスイッチには大きな違いがある。ではその違いをすぐに言えるだろうか。

そこで本連載では、これらの疑問について紐解いていきたい。一般的に利用されているにも関わらず、あまり知られていないスイッチの奥深さを感じていただきたい。

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ブリッジとは

さて、スイッチについて解説する前に、まずはスイッチのもともとである「ブリッジ」についてみていきたい。

ブリッジとは、あるネットワークAと別のネットワークBをつなぐ機器のことである。ただ単に、データをやり取りするだけでなく、転送先のMACアドレスを参照して、適切なポートに割り振ってくれる機能を備えている。MAC(Media Access Control)アドレスとは、LANカードなどのネットワーク機器に割り当てられた固有のID番号のことである。このMACアドレスによって、個々の機器を識別している。

スイッチは、このブリッジが進化したものだ。スイッチもブリッジ同様にデータを適切なポートに流してくれる。また、オン/オフによってデータの流れを止めることができる。では、スイッチとブリッジはどのような点が異なるのだろうか。

両者の大きな違いの1つは、転送ポートにある。スイッチは複数のポートに対して、どのポートにデータを転送するかを設定することができる。ブリッジにも複数のポートを持っている機器があるが、スイッチのようにポートを選ぶことはできず、すべてを流すか、止めるかしかできない。つまりブリッジは、データ転送のオン/オフは可能であるが、ポートへの振り分けができないのである。

次にスイッチの種類についてみていこう。 次のページ



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