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【ネットワーク教習所】いまさら聞けないスイッチ

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第3回:レイヤー3スイッチとルーティング

著者:アライドテレシス

公開日:2008/03/18(火)

ルーティングプロトコル

さて、レイヤー3スイッチではルーティングプロトコルの働きが重要です。ルーティングプロトコルは、ルーターとルーターの間で共有するルーティング情報に基づいて、網目状のネットワークを通る最適の経路を作るために必要な情報をやり取りするための経路情報を管理するプロトコルです。

TCP/IPネットワークでは、全世界で統一的に管理されるグローバルネットワークアドレスで運用され、階層化されたドメインと単位によって構成されています。

このドメイン間で使用されるルーティングプロトコルを「ドメイン間ルーティングプロトコル」、ドメイン内で使用されるルーティングプロトコルを「ドメイン内ルーティングプロトコル」と言います。ドメイン間ルーティングプロトコルには、「EGP(Exterior Gateway Protocol)」や「BGP(Border Gateway Protocol)」、ドメイン内ルーティングプロトコルには、「RIP(Routing Information Protocol)」や「OSPF(Open Shortest Path First)」などがあります。

企業内などのネットワーク設計においては、ドメイン内ルーティングの利用が一般的であるため、ここでは「RIP」と「OSPF」の概要を説明していきます。

図2:RIPとOSPFの図

RIPとOSPF

RIPは、ネットワーク初期に作られたベーシックなルーティングプロトコルです。

RIPは経由するルーターの台数がより少ない経路を最適経路として判断するプロトコルで、30秒ごとに隣接するルーターと経路情報をやり取りし、情報の更新を行います。ただし、RIPはこの30秒ごとの定期的な情報更新があるため、大規模なネットワークで使用すると経路情報の把握に時間がかかり過ぎるという弱点があります。

このようなRIPの弱点を改善したものがOSPFです。OSPFはネットワークの通信量と帯域幅を考慮して最適な経路を選択します。また、情報の更新がある場合を除いて定期的な情報更新も行いません。このため経路情報の把握が速く行えるため、大規模ネットワークを含めて、現在ポピュラーな手法として広く利用されています。 次のページ




アライドテレシス株式会社
著者プロフィール
アライドテレシス株式会社
1987年の設立以来、IP/イーサネットに特化した製品の企画・開発製造・販売を手がける国内屈指のネットワーク機器メーカー。
http://www.allied-telesis.co.jp/


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第3回:レイヤー3スイッチとルーティング
  レイヤー3スイッチが生まれた背景
ルーティングプロトコル
  ネットワークの冗長化