ネットワークの冗長化
さて、現在のネットワークでは、万一の障害発生時にもネットワークの通信を維持するさまざまな「冗長化」が図られています。
機器面では、バックアップ用の機器を待機させて、通常運用機器の障害発生時に瞬時に交代できるようにしておく、機器の冗長化があります。このような場合に使われるルーティングプロトコルに「STP(Spanning Tree Protocol)」や「VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)」があります。
STPとVRRP
STPはレイヤー2レベルで使用されるプロトコルです。冗長経路を確保する際に、ループになる経路を遮断してループの発生を防ぎます。
VRRPは複数のルーターに同じ1つの仮想IPアドレスを登録し、端末側からはあたかも1台のルーターのように見えるようにするプロトコルです。
端末側で仮想ルーターをデフォルトゲートウェイとして設定することで、マスターとバックアップが切り替わってもデフォルトゲートウェイのアドレスは変わらないため、端末側はそのまま通信を維持できるという方法です。
このように、現在のネットワークにおいては、レイヤー3スイッチとさまざまなルーティングプロトコルを複雑に組み合わせ、ネットワークの冗長化が図られ、規模の拡大とトラフィックの増大に対応する耐障害性の高いネットワークが構築されています。
一方で、ネットワークの設計現場では、設計や運用も複雑化しており、エンジニアの負担も増加しています。次回はこのようなエンジニアの負担を軽減する最新のスイッチの動向と今後について解説していきます。 タイトルへ戻る