EPSRの設計面
設計面でも、マスターノードに1つのブロックポート(セカンダリーポート)を設定するだけで済み、STPの設計で困難な「どのスイッチのどのポートをブロックにするか」というような構築・運用上の悩みがなくなるので、設計者・運用管理者双方にとってもメリットが大きいといえるでしょう。
EPSRのマスターノード以外のスイッチは安価なレイヤー2スイッチから選定が可能なため、ネットワーク機器にかかる費用の総計を最小限に抑えることが可能です。また、リング内の全スイッチをレイヤー3スイッチで構成することで、リング内に流れるトラフィックを抑制し、回線コストを削減するといった効率重視のネットワーク設計を選択することも可能です。
VCSとEPSRを使用したネットワーク構成とその特長についてまとめると図3のようになります。
このようにVCS、EPSRといった機能は、従来の複雑になり過ぎたネットワークの冗長化をよりシンプルにするものとして現在注目されています。そして、今後のネットワーク構築のトレンドとなっていくでしょう。今回解説したVCS、EPSRには、ほかにもさまざまな機能があります。機能の詳細や設計・構築のポイントなど、さらに詳しい情報がアライドテレシスのWebサイトで公開されていますので、参考にしていただければと思います。
まとめ
本連載の第2回ではスイッチの働きについて、第3回ではレイヤー3スイッチとルーティングについて、そして今回の第4回では、最新のスイッチの動向と今後について駆け足で解説してきました。
スイッチもその時代によって役割や機能が変化し、常に進化しています。最新のスイッチについてさらに詳しい解説や構築例などの情報は、アライドテレシスのWebサイトを参照いただければ幸いです。 タイトルへ戻る