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【伝わる!モデリング】アレのモデリングが見たい!

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第1回:これがハイブリッドカーのモデリングだ!

著者:日本テレロジック株式会社 石田 雅人

公開日:2008/04/04(金)

ユースケースのアクタを配置する

ユースケース図の中に、ユースケースを利用する外部のもの(人間やシステム)を周りに配置していきます。これらを「アクタ」(「Actor→アクター→アクタ」と変化したようです)と呼びます。例えば「保険をかける」といったユースケースは誰が利用するでしょうか?考えられるものは自動車のオーナーと保険屋です。

では、自動車のオーナーが利用するユースケースは「保険をかける」だけでしょうか?思考を巡らすと「車を登録する」といったユースケースが浮かんできます。公道で未登録の車を走らせることできません。では「車を登録する」といったユースケースを利用するのはオーナーだけでしょうか?登録に携わるアクタとして陸運局があります。

このように、思考を巡らしてシステムを機能的に分析し、必要となるユースケース、アクタをモデリングしていきます。

最初に整理した要求とユースケースの間にリンクを結ぶことで、どの要求がどの機能で実現されているかトレースを取ることができ、繋がりの見える化にもなります。

図2:ユースケースのブレイクダウン

ユースケース図も階層化

先ほど記述したユースケース図ではハイブリッドカーのすべての機能を網羅しているとはいえません。1枚のユースケース図にすべてのユースケースを記述すると大変見難くなってしまいます。そこで、ユースケース図の階層化を行います。

図2は先ほどのユースケース図の「車を運転する」をブレイクダウンしたものです。「車を運転する」に付随するユースケースにはどんなものがあるでしょうか?たとえば「加速する」「舵をとる」「発車する」などがあると思います。必ず使われるユースケースを「<<include>>」の依存関係で、場合によって使われるユースケースを「<<extend>>」の依存関係で表します。

以上のように、概要をつかむことができる抽象度の高い図でトップレベルのユースケース図を描き、さらにその要求をブレイクダウンした図を別に用意することで、全体を整理しやすくなります。

次はユースケースのシナリオをみてみましょう。 次のページ




日本テレロジック株式会社 石田 雅人
著者プロフィール
日本テレロジック株式会社 石田 雅人
プロフェッショナル・サービス部 モデリング・グループ エンジニア
日本テレロジックにおいて、プロフェッショナル・サービス部モデリンググループに所属するエンジニアとして、エンタープライズ向けモデリングツールTelelogic Tauをはじめとし、組み込み開発向けモデリングツールTelelogic Rhapsody、通信プロトコル向けモデリングツールのTelelogic SDLなど、モデルとコード、そしてテストに関するツールを中心とした営業技術支援、製品サポートおよびコンサルティングサービスのオペレーションを担当しています。


INDEX
第1回:これがハイブリッドカーのモデリングだ!
  モデルを使ってシステムエンジニアリング
ユースケースのアクタを配置する
  ユースケースのシナリオは?