【伝わる!モデリング】
Google Androidで携帯アプリ設計
第1回:UMLとマインドマップ
著者:株式会社豆蔵 藤田 泰介
公開日:2008/04/03(木)
UMLを使ってプログラムの構造と振る舞いを整理しよう
UMLはオブジェクト指向ソフトウェア開発におけるプログラム設計図の統一記法です。ここ数年、JavaやC♯のようなオブジェクト指向言語での開発が一般的になったこともあり、UMLを使う機会が増えています。
また、適用範囲もプログラム設計だけにとどまらず、概念図やビジネスモデリングに使われるなど広がりをみせています。最近ではUMLを知っていることを前提とした文章も珍しくありません。そのような状況でUMLはエンジニアの必須知識になりつつあるといってもよいでしょう。
UMLをプログラム開発時に使うとプログラムの構造や振る舞いを整理できるので、効率よくプログラムを書くことができます。UMLと一口にいってもさまざまな種類の図があり用途によって使い分けます。詳しくは「はじめようUML!」を参照してください。
UMLには全部で13種類の図があります。13種類もあるとどの図を使っていいかわからなくなるかもしれませんが、プログラム開発時に使う図は多くてもせいぜい4〜5種類です。また頻繁に使う図となると2〜3種類ですのであまり心配する必要はありません。
本連載ではプログラム開発中に特によく使うクラス図とシーケンス図について解説します。第3回ではクラス図を使ったクラスの継承関係の整理方法を解説し、連載4回目でシーケンス図を使ったプログラムの振る舞いの整理方法を解説します。
Google AndroidとMame Talkの概要
Google Androidとは、米Google社を中心とするOHA(Open Handset Alliance)という団体が提供する携帯電話用プラットフォームです(Googleが開発したイメージが強いのでGoogle Androidと呼ばれることが多いですが、正式には頭のGoogleをとって単にAndroidと呼びます)。
Androidは、OS、ミドルウェア、ユーザインターフェース、Webブラウザ、電話帳などの標準的なアプリケーションを提供しています。アプリケーションの開発がJavaでできることが特徴です。普段仕事でJavaを使っている方であれば比較的簡単にAndroidによってアプリケーションの開発ができると思います。
Androidについて詳細は「Google Androidに関する情報のまとめWiki」や、「Google Android完全解説」などの書籍(ムック本)が参考になると思いますので興味のある方はそちらをご覧ください。
さて、本連載ではアプリケーションの事例としてAndroid上で動くインスタントメッセンジャーを使います。このアプリケーションは筆者が趣味で開発しているもので、Android Developer Challengeに出品するために日々開発を続けています。
基本的にはGoogle社が開発したGoogle TalkのAndroid版で、Android端末同士のメッセージのやり取りはもちろんのこと、Windows版GTalkクライアントやWebブラウザ上で動くGTalkガジェットともメッセージのやり取りができます。
基本的にWebブラウザ版GTalkガジェットとほぼ同じ機能が使えるようになっています。なおMame Talkのソースとドキュメントは「SourceForge.JP: Project Info - Mame Talk」で公開していますので参考にしてください。では、本連載で必要な開発環境のインストールをしていきましょう(JavaとEclipseのインストールに関しては割愛します)。 次のページ