File System Recovery Kitの追加機能
v5.xまでのバージョンではファイル・システムリソースを作成後、マウントオプションを追加・変更するためには、リソース自体を作り直さなければならなかった。v6からはリソースの再作成を行わずに、GUIクライアント画面から設定変更ができるようになっている。
ファイル・システムリソースの右クリックすると、最上位に「Change Mount Options」という選択肢があり、ここから変更画面へと遷移し設定することができる。オプションの変更はファイル・システムリソースがActive状態でないときのみであり、実際のマウントオプションの反映にはファイル・システムリソースの再起動(再マウント)が必要である。

(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
Generic ARKのスクリプト置き換え機能
LifeKeeperでは、既存のオプションであるApplication Recovery Kit(ARKと呼ぶ)が提供されていないアプリケーションを保護する場合、Generic ARKという機能を使用して任意のアプリケーションを保護することが可能である。Generic ARKの詳しい内容については、「第12回:様々なアプリケーションのHAクラスタ化を実現するGeneric ARK」で紹介しているので参考にしていただきたい。
Generic ARKは保護対象となるアプリケーションの起動・停止・監視・回復をするためのスクリプトを、LifeKeeperに組み込むことでHAを実現している。Generic ARKで該当するアプリケーション用のリソースを作成するとき、指定したこれらのスクリプトファイルがLifeKeeperに取り込まれる。このため、スクリプト自体に修正が必要となったときにはリソースの再作成が必要であった。v6からはリソースの再作成ではなく、更新したスクリプトをGUIクライアント画面からアップロードすることで、取り込まれたスクリプトを更新することが可能となっている。
図3はGenericARKのリソースのプロパティ画面で、LifeKeeper Generic Application Configurationタグの左下の「Script Update」というボタンから各種スクリプトのアップロードをすることができる。他のクラスタノードへの適用もここから実施することができ、これまでよりもスクリプトの更新にかかる時間を大幅に短縮することが可能となる。ただし、この適用方法であってもアップロードする前の更新されたスクリプト自体の単体テストは事前に行っておく必要がある。
さて次回は、「仮想環境でのクラスタ構築手法」について解説していこう。