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作って学ぶXMLデータベースNeoCore XMS実践
第1回:XMLデータベースを使ったシステムを企画する
著者:
ウルシステムズ 林 浩一
2006/3/10
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リアルタイムの営業情報共有
現状ではどの会社に対して営業活動が行われているかわからないため、同じ会社の別々の部門に複数拠点の担当営業がアプローチしてしまうことがあります。すでに、営業情報の共有ツールを導入しているが、見積り金額の変更などの更新が後回しにされるなど、リアルタイムでの営業状況がわからない状態です。
提案ノウハウの共有
提案はシステムの有効性を効果的に示すためにプレゼンテーション用のツールを利用していますが、営業担当者の資料作成スキルで提案の善し悪しが大きく変わってしまいます。
また、顧客情報についての機密保持は厳重に管理したいので、提案資料中の顧客社名などの情報が見えない形でノウハウを共有したいという要望があります。
課題を解決するためのシステムの企画
これら課題を解決するためには、表1の要件を充たす企画をしなければなりません。
営業支援システムに提案時のプレゼンテーション資料をそのまま登録することができる
登録されるプレゼンテーション資料中に含まれる顧客名や提案するパッケージのバージョンや提示する見積金額などの情報がシステムによって自動抽出される
営業支援システムを使うことで、担当営業や営業マネージャーは、会社のすべての拠点で行われている提案活動をリアルタイムで把握でき、どんな活動がなされているかを知ることができる
各担当営業は提案資料を作成する際に、他の拠点で行われた提案で似た事例がないかを検索し、その時に使われた資料を参考にできる
他の拠点の事例を参照した際、顧客名などの機密情報は参照できない
表1:問題を解決するための営業支援システムの要件
図3:XMLDBを用いた課題の解決
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
こうしたシステムを企画する時に最も重要なポイントは、どれだけリッチな情報を楽に登録できるかというところです。頻繁に多くの詳細な情報を加工して入力してもらえば、それだけ高度な情報共有ができるのは当然です。
しかし、入力する手間がかかりすぎれば煩雑な入力としてシステムが使われなくなります。このシステムの例では顧客に提示する資料をそのまま登録するので二度手間がなくなり、本来の営業活動に専念できるようになります。
このシステムは資料の全体構成やデザインは各担当営業の創意工夫で自由に決めてよいですが、顧客名や見積額といった共通の項目を持つような半定型文書の管理を行います。こういったシステムを構築するのにXMLDBは非常に効果的です。
本連載では、具体的にNeoCore XMSを用いてこのシステムを構築していきます。次回はプレゼンテーション資料のためのXMLをどう扱い、どんな構成のシステムにするかを検討します。
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著者プロフィール
ウルシステムズ株式会社
林 浩一
アジャイル開発手法やXML技術を駆使して、ビジネスとITのギャップを埋めるITコンサルティングを行う部門を率いるディレクター。お客様のビジネスを本当に支援できる先端技術の活用を目指して、理論と実践の両面からアプローチしている。
INDEX
第1回:XMLデータベースを使ったシステムを企画する
XMLデータベースに対してのエンジニアの声
定型文書 vs 半定型文書
リアルタイムの営業情報共有