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多角的に考察する BPM再入門
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第2回:BPMNの表現を使ったBPMモデル作成
著者:メタジトリー  丸山 則夫   2006/6/1
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BPMNとは

   BPMNは国際標準のプロセスモデル表記法です。これは単なるワークフロー表記法でなく、SOAとの連携などによるシステム構築を含めた業務の改善改革を行うためのものといえます。従って、BPMNの表記法は業務モデルの性格と情報システム構築モデルの性格を持っています。

   BPMI(Business Process Management Initiative:注1)は2004年5月3日にBPMN1.0を発行しました。
※注1:
企業規模や業種に関係なく、複数のアプリケーション/ビジネスパートナーにまたがるビジネスプロセスをインターネット/ファイアウォールを通して開発・運用できるようにするために設立された非営利団体
http://www.bpmi.org/

   モデルを決めるにあたり、UML(アクティブなダイヤグラムなど)/IDEF/イベントプロセスチャートなどの数多くのプロセス表記法を参考にしています。BPMNでプロセスモデルを記述することで、プロセス実行言語を生成しての構築の自動化が実現します。


BPMNの2つの流れ

   現在、BPMNで作成したプロセス実行言語には2つの流れが存在します。

   1つはBPEL(Business Process Execution Language)の流れでSOAに重きをおいているものであり、もう1つはXPDL(XML process Definition Language)でワークフローに重点をおいているものです。

   両者ともXMLベースのビジネスプロセスの実行言語。BPMNで表記したものはそのまま様々なツールで扱えるとは限らず、BPEL・XPDLのオブジェクトに落とし込む必要があります。BPELはOASISによって標準化され、XPDLはWfMCによって標準化されています。

   詳しい表記法などの解説はOMGのWebサイト(注2)で公開されていまが、ここではポイントをかいつまんで解説します。

※注2:
オブジェクト指向技術の標準化/普及をすすめるために、1989年に設立された業界団体
http://www.omg.org/

   モデル作成の目的は、情報システム構築(情報システム構築モデル)と業務改善・改革(業務モデル)です。同じ表記法を使っていても、「どちらを優先するか、どちらが目的か」でモデルの内容は異なってきます。

   情報システム構築モデルでは情報システム化に必要な要素を定義する必要がありますが、業務モデルではビジネスプロセスの可視化に重点が置かれます。

   業務改革から情報システム構築に移行していく際、業務モデルから情報システム構築モデルに表現が変わってきます(同じ表記法を使い、連続した作業の中で情報システム化へとモデリングは進められていきます)。

   今回はBPMNの表記法を業務モデルに焦点をあて、表記法に制約を持たせた簡易表記を使って解説します。図2は製品(Savvion)のモデル記述例ですが、BPMNのルールに則っています。

BPMNの表記法
図2:BPMNの表記法
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

参考:
図2は業務処理(タスク)と分岐と結合の組み合わせを最小の表現で網羅的に表現したもので、簡易BPMN表記指針です。

   図2を参考にして各項目の説明をお読みください。

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株式会社メタジトリー 丸山 則夫
著者プロフィール
株式会社メタジトリー  代表取締役社長
日本BPM協会  理事   丸山 則夫

経営と情報システム連携をコンセプトとして、システム再構築のコンサルティングビジネスを実施。
ビジネス・プロセスに着目したBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)の活用が情報化社会の進歩に必要と捉え、市場定着とそのための組織化を推進中。

INDEX
第2回:BPMNの表現を使ったBPMモデル作成
  ビジネスプロセスモデルのモデル作成
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  Event
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