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社内の情報資産を最大限に活用するエンタープライズ・サーチ
第3回:エンタープライズ・サーチの機能を見極める
著者:
アイ・ティ・アール 上村 陽子
2006/5/11
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自然文検索とパラメータ検索
検索方法の基本は、検索窓から入力されたキーワードでインデックスを参照するキーワード検索です。複数のキーワードを入れることも可能です。この機能を拡張したものとして、検索窓が普通より大きめに配置され、そこに文章を入れることのできる製品もあります。
入力された文章は形態素解析によってキーワードに分解され、複数のキーワードで検索した結果が返されます。企業のWebサイトでの利用例は多く、「デジカメが壊れたので修理したい」と入れると、トラブルFAQサイトやサポート拠点の情報などが検索結果として表示されるような使い方などがあります。これを自然文検索といいます。
また「車」と入力して「自動車」まで検索できる機能や「エンタープライズサーチ」と「エンタープライズ・サーチ」を同じに扱うといった表記ゆれを吸収する機能など、同義語・類義語や企業独自の用語の使い方まで考慮した検索ができるような機能拡張も進んでいます。
パラメータを指定して結果を絞り込む検索手法もあります。パラメータに指定できるのはコンテンツ作成日/コンテンツ作成者/コンテンツ分類(提案書、製品情報、マニュアル、etc…)といった情報です。逆にこういったメタデータが整備されていることが、検索の精度を高める上で非常に重要といえます。この他にコンテンツ分類を自動化する機能を提供している製品もあります。
タギング(フォークソノミ)
インターネット上のblogや写真画像などに、ユーザが好きなキーワードを後から付けられるサービスを提供しているWebサイトがあります。猫の写真画像に対して、それを見た人が「猫のお昼寝」「かわいい」など自由にタグ(目印)を付けていくことで、インデックス化が困難な写真もキーワード検索ができるようになります。
海外の写真共有Webサイト「Flickr.com」はこのサービスを提供するWebサイトの1つであり、多くの利用者の力でコンテンツが分類されていくことからWeb2.0的サービスとして注目されています。
タグをつける行為を「タギング」といいます。たくさんの人々を意味するfolkと、分類を意味するtaxonomyをあわせて、folksonomy(フォークソノミ)と呼ばれることもあります。企業内のコンテンツにおいても、利用者によってコンテンツに意味をつける行為は、検索精度を高める上で大きな力を持つでしょう。このような情報分類を重要と捉えて、タギングの機能を提供する製品も登場しています。
図1:タギングのイメージ
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著者プロフィール
株式会社アイ・ティ・アール シニア・アナリスト
上村 陽子(かみむら ようこ)
データウェアハウス、BI、CRM、コンテンツ管理分野の市場調査を担当する。慶応義塾大学理工学部卒業後、ユーザ企業の情報システム部門を経て、1999年より現職。
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第3回:エンタープライズ・サーチの機能を見極める
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