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IT基盤を刷新する レガシーマイグレーション入門
IT基盤を刷新する レガシーマイグレーション入門

第1回:そもそも、レガシーマイグレーションとは何か
著者:新日鉄ソリューションズ   荒木 義史   2006/5/26
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BPR(ビジネスプロセスリエンジアリング)方式

   BPR方式とは、現行業務の流れ(ビジネスプロセス)を見直して、新規に業務仕様(業務ロジック)や論理システム構成(ネットワーク構成、データベース構成など)およびソフトウェア仕様を設計して、オープンシステム環境下に新たなアプリケーションプログラムを実装する方式である。
Rebuild(リビルド)方式

   Rebuild方式とは、現行の業務仕様をもとに新規に論理システム構成やソフトウェア仕様を設計して、オープンシステム環境下に新たなアプリケーションプログラムを実装する方式である。業務仕様(業務ロジック)の変更は行わない。


Rewrite(リライト)方式

   Rewrite方式とは、現行のソフトウェア仕様をもとに、新たなアプリケーションプログラムをターゲットシステム環境下に実装する方式である。


Rehost(リホスト)方式

   Rehost方式とは、現行システムのアプリケーションプログラムをターゲットシステム環境下に移行して実装する方式である。端的な例として、メインフレーム上で利用していたCOBOLプログラムをオープンCOBOLと呼ばれるオープンシステム用のCOBOLに変換して乗せ替える例があげられる。

各マイグレーションの形態の特徴
図2:各マイグレーションの形態の特徴

   上記の4方式については、マイグレーションの目的・効果をかんがみて適切な方式を選ぶ必要がある。例えばビジネスへの追従性を狙い、複雑化したシステム構造の簡素化を行う場合に、Rehost(リホスト)方式を採用しても問題の解決にはならない。

   またマイグレーション手法の選択もどれか1種類だけというわけではなく、「サブシステム単位に異なる方式を採用する」場合や、「最初は複雑なアプリケーションに極力手を入れないRehost(リホスト)によって新基盤への移行を行い、その後に複雑なアプリケーションを再構築するRebuild (リビルド)を行う」という2段階方式を検討する場合もある。

   これらの手法の選択指針は、システム全体のアーキテクチャの中で現行のレガシー(資産)をどう位置付けるかによって決まってくる。

   次回はシステム全体のアーキテクチャの整理に基づき、段階的にレガシーマイグレーションを推し進めている例を紹介する。

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新日鉄ソリューションズ株式会社 荒木 義史
著者プロフィール
新日鉄ソリューションズ株式会社   荒木 義史
入社以来、製鉄所生産管理システムに対して、企画〜設計〜開発〜保守のソフトウェアライフサイクル全般に渡る業務に従事。現在は鉄鋼システムでの知見をもとにレガシーシステムを中心としたコンサルティング業務を担当。

INDEX
第1回:そもそも、レガシーマイグレーションとは何か
  連載開始にあたって
  レガシーシステムの問題点
BPR(ビジネスプロセスリエンジアリング)方式