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オープンソースで構築する業務システム特集
第8回:オープンソースERP「Compiere」の導入事例
著者:
アルマス ジリムト
2006/7/20
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導入実績
筆者が日本でのCompiereの導入サポートを開始して半年ほどが経ちますが、現在ではユーザマニュアルの日本語版への翻訳とともにCompiereの導入を行っています。
ここでは、「衣料品販売会社の基幹システム」のマイグレーションプロジェクトと「カーテン販売業受発注管理システム」の開発について紹介します。
「衣料品販売会社の基幹システム」の入替えプロジェクト
この衣料品販売会社は50人ぐらいの規模の高成長率を持つ中小企業であり、海外からの輸入した衣料品やプレゼント用の雑貨などを日本国内に向けて通信販売/卸販売/大口販売をしています。現状システムはParadoxで自社開発のシステムであり、在庫を保管している倉庫運営会社と契約して倉庫を管理している関係上、倉庫会社とデータのやり取りを可能とするためのインターフェースが必要となるのです。また通信販売をしている関係上、コンビニ支払/郵便局支払をデータとして扱うことのできる支払データの取り込み機能拡張も必要でした。
このプロジェクトの第一歩は業務プロセスの定義であり、要件定義を洗い出してCompiereの機能の適用性を検証しました。その後、業務プロセスを分類定義してCompiereでの組織構成および作業プロセスを設計しました。そして拡張開発としては、具体的に次の流れで行いました。
日本での通信販売に適用させるために、郵政省の郵便番号照会で住所入力補助機能を開発
倉庫管理会社とのデータ受け渡しのインターフェース/商品マスター送信データ作成/出荷データから出荷指示書送信データ作成/出荷確認データインポート/入荷データから入荷指示書送信データ作成/入荷確認データインポート機能の開発
コンビニと郵便局振込みデータのインポート機能/振込データで支払(入金)データの作成/請求書との照合機能の開発
表3:開発の流れ
「衣料品販売会社の基幹システム」の移行プロジェクトは約5ヶ月で一次開発を完了しており、今は本番稼動するための準備をしている状況です。現在はその準備段階ですが、顧客の都合のよい時期に旧システムから完全移行してCompiereを本番稼動する予定です。
図1:日本郵便番号照会住所補助入力画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
Compiereを選んだ理由に関して、「それまで社内のシステムは企業自身で開発していましたが、会社の急成長の要求とシステムの入替えに際し、多くの企業に利用されているERPに蓄積されているノウハウも利用できるようにしたかったのです」と導入企業のシステム導入責任者から伺っています。
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コンペアージャパン
http://www.compiere-japan.com/
大手企業ERP導入サポートした経験を活かして、日本の中小企業のために、オープンソースERPシステムCompiereの日本語版パッケージの提供から導入コンサルティング、カスタマイズ開発および運営サポートを提供している。
運営会社
株式会社アルマス
http://www.almas.co.jp/
株式会社フォーワンファースト
http://www.411.co.jp
著者プロフィール
株式会社アルマス ジリムト(吉日木図)
株式会社アルマス代表取締役社長
内モンゴル大学電子学部修士卒業。18年のシステム開発経験を持ち、日本では大手外資系会社のERPシステム導入運営サポートを3年間経験したほか、主にはOSSベースのシステム開発を担当し、Struts,Torque,DisplayTag,Quartz,JasperReport,iText,jChart, HttpClientなどOSSを使った自社開発プラットフォームjWare(Java Web Application Rich Engine)をベースに多数のプロジェクト完成。中小企業向けオープンソースERP&CRMであるCompiereの日本語化プロジェクトをリードしている。
INDEX
第8回:オープンソースERP「Compiere」の導入事例
オープンソースソフトウェアと商用製品との違い
導入実績
「カーテン販売業受発注システム」開発プロジェクト